『バグダードのフランケンシュタイン』は、アフマド・サアダーウィーによる現代アラブ文学の傑作で、フランケンシュタイン神話を21世紀の戦禍の街バグダードに再構築した作品です。戦争で亡くなった人々の遺体をつなぎ合わせ「正義の復讐者」として蘇らせた男と、その“怪物”の存在が、宗教、暴力、倫理の問題を鋭く浮かび上がらせます。ホラー、風刺、社会批評が融合した力強い物語で、柳谷あゆみによる翻訳も臨場感と緊張感を見事に再現。戦争後の混沌と人間の罪を問う、現代版『フランケンシュタイン』と呼ぶにふさわしい一冊です。
<中東×ディストピア×SF小説>
連日自爆テロの続く2005年のバグダード。古物商ハーディーは町で拾ってきた遺体のパーツを縫い繋ぎ、一人分の遺体を作り上げた。しかし翌朝遺体は忽然と消え、代わりに奇怪な殺人事件が次々と起こるようになる。そして恐怖に慄くハーディーのもとへ、ある夜「彼」が現れた。自らの創造主を殺しにーー
不安と諦念、裏切りと奸計、喜びと哀しみ、すべてが混沌と化した街で、いったい何を正義と呼べるだろう?
国家と社会を痛烈に皮肉る、衝撃のエンタテインメント群像劇。
各国で数々の賞を受賞!
アラブ小説国際賞受賞(アラビア語版原書)
イマジネール大賞外国語部門受賞(フランス語版)
キッチーズ賞 金の触手部門受賞(英語版)
ブッカー国際賞最終候補(英語版)
アーサー・C・クラーク賞最終候補(英語版)
【著者略歴】
アフマド・サアダーウィー
イラクの小説家、詩人、脚本家、ドキュメンタリー映画監督。2009年、39歳以下の優れたアラビア語の作家39人を選出する「ベイルート39」に選ばれる。2014年に『バグダードのフランケンシュタイン』で、イラクの作家としてはじめてアラブ小説国際賞を受賞。本書は30か国で版権が取得され、英語版がブッカー国際賞およびアーサー・C・クラーク賞の最終候補となった。現在バグダード在住。
【訳者略歴】
柳谷あゆみ (やなぎや・あゆみ)
1972年東京都生まれ。慶應義塾大学大学院文学研究科後期博士課程単位取得退学。公益財団法人東洋文庫研究員、上智大学アジア文化研究所共同研究員。アラビア語翻訳者、歌人。
歌集『ダマスカスへ行く 前・後・途中』にて第5回日本短歌協会賞を受賞。
訳書にザカリーヤー・ターミル『酸っぱいブドウ/はりねずみ』(白水社エクス・リブリス)、サマル・ヤズベク『無の国の門 引き裂かれた祖国シリアへの旅』(白水社)など。
【英語版タイトル】
FRANKENSTEIN IN BAGHDAD
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