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「うみべのハリー」は愛犬ハリーのちょっとした冒険が、子どもの共感を呼ぶ絵本です。日差しに追われ、居場所を求めて彷徨う姿にハラハラし、海藻にまみれて“おばけ扱い”される展開には思わず笑ってしまう。しかし最後には“声”という絆につながる温かさがあり、ハリーの存在がただのペット以上に愛される“家族の一員”であることを改めて感じさせる。渡辺茂男の訳の微妙な言葉遊び(ホットドッグ屋の呼び声と名前の混同など)も物語に楽しい余韻を与える。読み聞かせにぴったりの一冊。