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この巻でも、獣医の春山先生と猫院長ハルちゃんの名コンビが健在。「院長!」と呼ばれて2人(1人と1匹)が同時に振り向く場面は、何度見ても微笑ましく、読者の心をほぐしてくれます。病院という緊張感のある場所が、彼らの存在によって“安心の場”へと変わっていくのが印象的です。犬や猫だけでなく、ヤモリ、インコ、フェレット、ウサギ、タツノオトシゴ、キバタン、ハムスター、フクロウなど、さまざまな動物が登場。それぞれの習性や性格が丁寧に描かれていて、動物好きにはたまらない内容です。飼い主たちも個性的で、動物との関係性にドラマがあり、読み応えがあります。本巻は、ウェブメディア『コクハク』に掲載された作品を中心に、初の単行本化となる29編を収録。短編形式ながら、どの話にも“命”と“関係性”の深さが込められていて、読後には優しい余韻が残ります。『ねことじいちゃん』でもおなじみのねこまきさんの作画は、柔らかくて温かい。動物たちの表情や仕草が生き生きと描かれていて、ページをめくるたびにほっこりします。絵の力で“命の物語”がより深く伝わってくるのが、この作品の大きな魅力です。この巻は、動物と人間の“共に生きる”というテーマを、優しく、ユーモラスに、そして時に切なく描いた一冊。



















