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最初は「こどもどろぼう」という題名に不安を感じたが、読み進めるうちにただの犯罪の話ではなく、人の心の弱さや孤独が生み出す行動の物語だと気づいた。登場人物の山吹は、無邪気さと寂しさを同時に抱えており、その心の揺れが痛々しくも印象に残った。子どもを奪う行為は決して許されないが、その背景にある人間の葛藤を考えさせられる。読み終えて、もし自分が同じ立場ならどう行動したか、改めて家族や絆の大切さを感じさせられる作品だった。