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『殺人出産』(村田沙耶香)は、過激かつ衝撃的なテーマを通して、人間関係や社会規範、家族の在り方を問いかける小説です。妊娠や出産という一見幸福な出来事を題材に、暴力的で非日常的な状況が描かれ、登場人物の心理や感情の揺れが鋭く描写されます。村田沙耶香ならではの冷徹で圧倒的な筆致により、読者は日常の裏に潜む狂気や社会的圧力を直視させられる、強烈な印象を残す一冊です。
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短編集だが、書名になっている「殺人出産」が一番長く、印象的な設定だった。
人口受精で生まれる子どもが主流になり、プライベートな出産とセンターで育てられる子ども、後者の割合が増えつつある世界観は『消滅世界』に通じるが、「生み人」になって10人産めば一人を殺人する権利が与えられたり、殺人犯には10人産む刑罰が科される設定が強烈な作品。
架空の社会システムがどのように機能するか、にひきつけられて一息で読める。













