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圧倒的な熱量と情報量で、読むたびに深く引き込まれる作品でした。戦争、土地、記憶、国家といった大きなテーマを背負いながら、ひとりひとりの人生が丁寧に描かれていて、歴史のうねりの中に生きる個人の存在の重さを痛感させられます。物語のスケールは壮大なのに、どの登場人物にも血が通っていて、読み進めるうちに彼らの喜びや絶望が自分のことのように感じられました。地図を描くことと拳を振るうこと、その間にある矛盾と希望に深く考えさせられる一冊でした。