『空海「三教指帰」 ビギナーズ 日本の思想』(空海/加藤純隆・加藤精一)は、空海の著作『三教指帰』を初心者向けに平易に解説した入門書である。儒教・道教・仏教の三教を比較・統合する空海の思想をわかりやすく紹介し、当時の宗教観や精神文化を現代人にも理解できる形で伝えている。哲学的・宗教的洞察を日常生活や自己理解に結びつけて学べる、思想入門として最適な一冊である。
日本に真言密教をもたらした空海が、渡唐前の青年時代に著した名著。放蕩息子を改心させようと、儒者・道士・仏教者が説得するが、息子を納得させたのは仏教者だった。空海は、ここで人生の目的という視点から儒教・道教・仏教の3つの教えを比較。その特徴を明らかにし、進むべき道をはっきりと打ち出していく。また、青年空海にとって生きるとは何かが熱く説かれている。読みやすい現代語訳と、原文、空海の略伝を収載。
はじめに
序章 この書物を書いた理由
文章を書く理由
私・空海の略歴
熱心な修行と仏道への熱き思い
著作の二つの動機
第一章 亀毛先生の主張
1 亀毛先生の風貌など
兎角公からの要請
亀毛先生の受諾
2 人の心は自然に快楽へ走る
善きものへ向う生活
3 蛭牙公子を叱る
4 人生の輝かしい目標について
学成った人の栄達の人生
5 人は善き配偶を持つべき
亀毛先生の結論
6 公子の応諾
第二章 虚亡隠士の主張
7 虚亡隠士が話に加わる
8 道教を伝うるには人を選ぶべし
隠士の受諾
仙人の道、誤解と正しい用心と
9 仙人となる道
仙人の優れた境界
10 世俗への批判
隠士の結語
第三章 仮名乞児の主張
11 仮名乞児登場
乞児の修行生活
12 内心の苦悩を告白する
乞児は感懐を述べる
13 大孝の道
真の忠孝を説く
14 乞児は兎角公の屋敷へ
仏教は全体の真理、儒教・道教は仏教の一部分
15 乞児は身分を明かす
地獄と天国について
仏教の開祖、釈尊について
16 「無常の賦」(上)を詠う
17 「無常の賦」(下)
18 「生死海の賦」(上)
19 「生死海の賦」(下)
菩提と涅槃
20 「十韻の詩」で本書を括る
「十韻の詩」
原文 訓み下し
弘法大師空海略伝
あとがき
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