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【テレビで見る芸能人の人生にもどうせ本当は事件など起きていないだろう。それを皆、化学調味料で元の味などわからなくなるくらい嘘のように濃い味付けにして提供してくる】 岩井さんの鋭い洞察力とクールな視点が十分に堪能出来る本作。読後、岩井さんはもちろん、相方の澤部さんのこともさらに好きになった。珪藻土に関する恐ろしい妄想やあんかけラーメンの汁にまつわる背徳感のエピソードは特に最高。また、同窓会に対する岩井さんの考えにも、ものすごく共感できた。ひねくれている中にも優しさが滲み出ていて、つい読み返したくなる作品だ。