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『批評理論入門 『フランケンシュタイン』解剖講義』(広野由美子)は、文学作品を多角的に読むことの面白さを実感できる一冊でした。『フランケンシュタイン』を題材に、フェミニズム批評、ポストコロニアル批評、精神分析など、さまざまな理論的枠組みで作品を「解剖」していく構成が非常にわかりやすく、批評理論が抽象的な概念ではなく、読みの具体的な道具であることを示してくれます。作品の奥に潜む社会的・心理的構造が鮮やかに浮かび上がり、文学を読む目が大きく広がる思いがしました。