「え? あの赤ずきんちゃんが死体と出会うって何ごと!?」
と思いますよね?
赤ずきんを面白おかしくパロディにしただけかなと思うなかれ。
そんなことはまったくありません。
本作は、よく知っている童話の世界を舞台に、赤ずきんが主人公となって殺人事件を解決していく本格ミステリー小説です。
メルヘンの世界なので魔女やお菓子の家などは出てくるのですが、ここまではできるけどこれ以上はできない、といったルールがしっかりと設定してあります。
そのため、読者が犯人やトリックを推理することができるミステリー小説としてしっかりと成り立っているのが本作のすごいところ。
「シンデレラ」「ヘンゼルとグレーテル」「眠り姫」「マッチ売りの少女」といった誰もが一度は聞いたことがある有名な童話をベースにした全4話が収録されています。
それぞれ1話完結となっているので、ミステリー小説初心者でも手に取りやすい内容になっています。
しかしその一方で4話はすべて繋がっていて、1冊を通して大きな謎も隠されているので、本格的に謎解きをしたい人にもオススメです。
「そんなところにヒントが隠されていたのか!」
と、巧妙に隠されている伏線に驚かされ、つい何度も読み返したくなってしまう作品です。