井上さつきさんの『万博からみた音楽史』は、各国の万博という舞台装置を通して、その時代時代の音楽の潮流や文化、そして人々の熱気を鮮やかに描き出しています。
単なる音楽史の解説に留まらず、万博という巨大なイベントが音楽に与えた影響、そして音楽が万博を彩ってきた軌跡を辿る視点が実に興味深く、新鮮でした。
各万博に焦点を当てることで、当時の社会情勢や技術革新が音楽とどのように結びついていたのかが具体的に理解できました。
音楽を通して万博の歴史を、そして万博を通して音楽の歴史を複眼的に捉えることで、音楽史がより身近で立体的に感じられました。
音楽好きはもちろん、歴史や文化に関心のある方にもおすすめの一冊です。