昆真由美著「演歌作詞入門 〜時代に学ぶポイントとコツ」は、演歌の作詞に特化した入門書でありながら、時代背景やジャンルの変遷を丁寧に解説することで、演歌という音楽ジャンルそのものを深く理解できる一冊でした。
本書では、演歌が隆盛を極めた昭和の時代から、現代に至るまでの音楽シーンの変化を踏まえて、演歌の歌詞に求められる要素や、表現技法が具体的に解説されています。
特に印象的だったのは、演歌の3つの要素「艶歌」「縁歌」「俺歌」と、3つのタイプ「遠歌」「炎歌」「怨歌」を軸にした、著者独自の作詞へのアプローチです。
これらの要素とタイプを組み合わせることで、より深みのある演歌の歌詞が生まれることを、具体的な例を挙げながら解説しています。
また、本書は単なる作詞のノウハウ本ではなく、演歌という音楽ジャンルに対する著者の深い愛情と情熱が伝わってくる点が魅力的です。
演歌の歴史や文化背景、そして、そこに込められた人々の感情を理解することこそが、良い演歌の歌詞を書く上で不可欠であることを教えてくれます。
コピークリエイティブ、作詞に興味がある方はもちろん、演歌という音楽ジャンルをもっと深く知りたいという方にもおすすめの一冊です。