瀬尾まいこの『夜明けのすべて』は、困難や悩みを抱えながらも前を向いて生きる人々の姿を描いた短編集です。家族や友情、恋愛など身近な人間関係を通して、希望や再生の大切さが静かに伝わってきます。登場人物たちの心の揺れや成長が丁寧に描かれ、読後には温かく穏やかな余韻が残ります。人生の小さな喜びや人とのつながりの尊さを改めて感じさせてくれる、心に沁みる作品です。
PMSでイライラを抑えられない藤沢さんと、パニック障害に苦しむ山添君。恋愛感情も友情も感じられないけれど、お互いのことを少しでも助けたいという、優しいお節介をし合う二人の関係性が素敵でした。
二人のやりとりがとても面白くて、特に藤沢さんが山添君の髪を失敗しながら切る場面は、腹を抱えて笑ってしまいました。扱っているテーマはかなり重いのに、深刻になりすぎず、ところどころにユーモアが散りばめられているのが、さすが瀬尾さんだと感じます。
自分ではコントロールできない体の不調や心の病は、「気の持ちよう」なんかではないのかもしれません。それでも、考え方や捉え方次第で、病気とうまく付き合っていくことができるのかもしれないと、この本を読んで思いました。そこに至るまでには大変な努力が必要なのでしょうが、希望を見せてくれる一冊です。
不器用だけど、お互いを思いやる二人の姿に、温かい気持ちになれる物語でした。
映画化もされた作品です。
ぶつかりあうしかないだろうと思っていた男女2人が
いつか、「好きになれる相手」になっていくお話。
PMSでイライラが止まらなくなる藤沢さんとパニック障害と闘う山添くんは、社会の中で自身の症状と周りの目に困惑しながら生きています。
同じ職場になった2人は不器用ながらもお互いの苦しさを想像しながら、自身の障害と向き合っていこうと少しずつ変化していきます。それを見守り、支えていこうとする職場の雰囲気が素敵でした。
身の回りの人を思いやれる自分でありたいし、理解しようとし合える環境を作っていきたいです☘️











