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「八郎」は、人のために身体を張る“優しさ”と“自己犠牲”を見事に描いた傑作絵本です。八郎の「もっと大きくなりたい」という願いが、ただの虚栄ではなく、人々を助けたいという思いとつながっていく過程が胸を打ちます。滝平二郎の切り絵は荒々しい海や山、そして八郎の偉大さを力強く表現し、白黒の調子が物語の古里と神話性を引き立てる。「自分が何であるか」を問い“存在の意味”に触れさせてくれる、本当に深い一冊です。