表紙を見た瞬間にわたし好みの話だと思い、購入しました。
現在から過去の出来事を辿っていくようなストーリー運びに、これから一体なにが起こるのか、とページをめくる手が止まりません。
舞台はフォルトナ国・城下ダヤ。
ヒロインは、美しい瑠璃色の瞳をしたニナという少女です。
ニナは流行病で身寄りをなくし、同じ境遇の兄弟・サジとコリンと一緒に暮らしていました。
金持ちから金品を盗んだりして生活を送っていましたが、病弱のコリンの容態は悪化していき……
ニナは、サジによって人買いに売られてしまいます。
そこで人買いに告げられた言葉が、「おまえは今日死ぬ。そして、王女として生きるんだ」
なんと、ニナを買ったのは、フォルトナ国の第二王子・アズールでした。
今は亡き王女・アリシャと同じ瑠璃色の瞳をしていたニナは、
三ヶ月間礼儀作法を学んだのち、大国ガルガタの第一王子に嫁ぐように命じられます。
最初はアズールに反発していたニナでしたが、アズールの人柄や立場などを知るうちに、悪い人ではないと思うようになります。
ニナが街の星祭りを見たいと思い、城からそっと抜け出す話がありますが、
懐かしい風景や、記憶を思い返していく楽しげな様子から一変して
もう街には自分の名前を呼んでくれる人はいないことを思い知り、涙を流すニナの姿に、心がぐっと痛みました。
時にはぶつかり、それでも互いに理解を深めていく2人。
少しずつ変化していくニナとアズールの関係から目が離せません!