ひょんなことからかどわかされ、後宮の下働きにされた薬師の主人公。
唯一興味があるのは自分の専門分野の薬と毒物で、効能を確かめる為なら自分での人体実験も厭わない変人。
玉の輿にのらんと妍を競う美女たちが火花散らす女の戦場でもいやそーゆーの興味ないっすからとタフにずぶとくマイペースに生きていた彼女だが、見栄と嫉妬と陰謀渦巻く後宮の事件に知恵を貸した事から、超美形の宦官に気に入られて……
ジャンルは中華ファンタジー+ミステリー。
主人公がとてもいいキャラをしてる。
毒と薬が大好きな薬師の少女で生臭い世俗には興味がなく浮世離れしてるのだが、肝心な所で情が厚く、陰険な妬み嫉みいびりいじめが横行する後宮でも、ばっさりすっぱり男前な啖呵を切るのが痛快。
そんな彼女に目をかける宦官の軽妙な掛け合いが癖になる。
宦官の寵愛もどこ吹く風と毒と薬の研究に入れ込む主人公、その空回りの温度差がほのぼのした笑いを生む。
全体的にユーモアたっぷり、登場人物も個性的で楽しく読める。














