「地獄は楽?極楽とかけてる?」とタイトルの面白さに惹かれて購入。
まだ斬首刑があった頃の江戸時代が舞台です。
実際に存在した御様御用(おためしごよう)の山田家が登場。
斬首刑や処刑時に起きた実際の出来事も描かれていて、えぐいながらも勉強になるなあと感じました。
そんな中どんなことをしても死なない画眉丸という忍が、異質に思えます。
首を刎ねようとすれば刀が折れ、火で焼こうとしても焼け死なず、牛に股を裂かせようとしても牛の力に抵抗出来てしまう人物です。
人間離れした忍なのですが、本人は殺してくれと言います。個人的に意味わからないです。
矛盾だらけの画眉丸の元にやって来たのは、山田家の佐切。
卓越した技術を持つ剣士で、画眉丸の本意を見抜きます。
血も涙もない「がらんどう」と呼ばれた画眉丸の”生きたい”と思う目的を知れば、読者も思わず、うわあとなってしまうでしょう。
そんな画眉丸をはじめとする死刑囚たちに、極楽浄土に向かい「不老不死の仙薬」を持ち帰ったたった1人が無罪放免の書状を与えられる、という任が下されます。
しかし、実際にその極楽から帰ってきたという者は全身に花が咲き、酷い有様。
果たして、お目付け役の佐切と画眉丸と死刑囚たちが向った先は極楽か? それとも、別の何かか?
かなり続きが気になる展開の作品です。
石隠れの衆忍がらんの画眉丸
その長の娘を嫁にもらい
いつしか二人で暮らすことを考えた
それにより、長の策略にはまり捕まる
そこで無実放免を取り戻すため
神山郷という場所で不老不死なる仙薬をとったものに
1人だけ無罪を与えるというのに乗っかる
画眉丸と同等の罪人
そしてそれを警護する山田浅右衛門の門弟らが上陸
なにやら怪しいものも多く
はたして画眉丸は妻に会えるのか?