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宮部みゆき『猫の刻参り ― 三島屋変調百物語拾之続』は、江戸時代を舞台にした時代怪談シリーズの第10巻です。三島屋に集う登場人物たちが語る怪異譚を通して、人間の心理や欲望、因果関係が丁寧に描かれています。猫の怪異を題材にした物語は、妖怪譚の怖さと同時に江戸の暮らしや文化を感じさせ、宮部みゆきならではの緻密な描写と伏線が作品全体に深みを与えています。シリーズを通して積み重ねられた謎解きと怪談の魅力が光る一冊です。