本の紹介でお小遣いを稼げる

ブクスタ！

いま、会いにゆきます（市川拓司 著）を読んで、とてもじんわりと胸に残るお話だと思いました。主人公と息子の前に、亡くなったはずの妻が戻ってくるという“奇跡”のような設定の中で、家族の愛や「当たり前の日常」の尊さが淡く、でも確かに描かれていて、「生きる」「愛する」ということの大切さに改めて気づかされました。 

特に、静かでやさしい語り口、日常の中の小さなあたたかさが、読後の心をふわっと包んでくれて、“切なさ”と“温かさ”が同居する感覚がとても印象的でした。 

【きっと人生なんて「あっ」という間に終わっていくのだろうから、思い返す記憶なんてそんなにたくさんはいらない】

毎年梅雨の季節になると思い出したくなるようなみずみずしく透明感あふれる純愛物語。終始温かい雰囲気と美しい情景描写が物語全体を彩っている。最後まで作品を読み終わった後、私は、この本のタイトルが文字通り「いま、会いにゆきます」と「いま、愛（のため）に生きます」のダブルミーニングになっているように感じた。