善と悪とのはざまでゆれるピカレスクロマン5選
今回は、善と悪の狭間で揺れ動く人間ドラマを描いたピカレスクロマンを5つお届けします。少年の成長物語と揶揄されることもありますが、決して子供だましではありません。彼らが街角で出会う厳しい現実、不条理さ、それでも前を向く力に、はじまるかなたに立つ大人たちも胸を打つはず。人間の裏表、善悪の相対性を鋭くえぐった作品もあります。また、宗教や社会への批判を込めた力作も。何が善で何が悪か、誰が決めるのか。人間が生きることの難しさや価値を問い続けるこれらの作品は、あなたの考える世界を少しだけ広げるかもしれません。最後は、悪への恐怖と魅力を描いたダークファンタジーで締めくくります。興奮と共感、悲しみと喜びが、あなたを待っています。
『悪人』
作者 | 吉田,修一,1968- |
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価格 | 不明 |
発売元 | 朝日新聞出版 |
発売日 | 2018年07月 |
『OUT 上』
ごく普通の主婦であった彼女たちがなぜ仲間の夫の死体をバラバラにしたのか!?
深夜の弁当工場で働く主婦たちは。それぞれの胸の内に得体の知れない不安と失望を抱えていた。「こんな暮らしから抜け出したい」そう心中で叫ぶ彼女たちの生活を外へ導いたのは、思いもよらぬ事件だった。なぜ彼女たちは、パート仲間が殺した夫の死体をバラバラにして捨てたのか?犯罪小説の到達点!
作者 | 桐野 夏生 |
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価格 | 924円 + 税 |
発売元 | 講談社 |
発売日 | 2002年06月15日 |
『人間失格』
無頼の生活に明け暮れた太宰自身の苦悩を描く内的自叙伝であり、太宰文学の代表作である「人間失格」と、家族の幸福を願いながら、自らの手で崩壊させる苦悩を描き、命日の由来にもなった「桜桃」を収録。
作者 | 太宰治/著 |
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価格 | 286円 + 税 |
発売元 | KADOKAWA |
発売日 | 2007年06月23日 |
『不夜城 (角川文庫)』
作者 | 馳 星周 |
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価格 | 653円 + 税 |
発売元 | KADOKAWA |
発売日 | 2012年10月01日 |
『火車』
休職中の刑事、本間俊介は遠縁の男性に頼まれて彼の婚約者、関根彰子の行方を捜すことになった。自らの意思で失踪、しかも徹底的に足取りを消してーなぜ彰子はそこまでして自分の存在を消さねばならなかったのか?いったい彼女は何者なのか?謎を解く鍵は、カード会社の犠牲ともいうべき自己破産者の凄惨な人生に隠されていた。山本周五郎賞に輝いたミステリー史に残る傑作。
作者 | 宮部 みゆき |
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価格 | 1210円 + 税 |
発売元 | 新潮社 |
発売日 | 2012年11月 |
そう、結局私たちは誰もがピカレスカスの主人公なんですよね。人生で初めて遭遇する事態に立ち向かったり、誘惑に負けてしまったり、また時には窮地から希望を見つけ出したり。まさしく人生は善悪の狭間で揺れ動く冒険の連続です。
だからこそ、ピカレスクロマンは私たちに共感を覚えさせ、見ているだけでなく引き込まれてしまうのでしょう。誰もが抱えるその揺れ動きを、5冊の作品を通して追体験して頂ければと思います。明日に向かって生きる上での一つの道しるべになったり、胸の中の何かしらを揺さぶられるきっかけになったり。その中にある善と悪の狭間でのヒーローたちに、きっとあなた自身を投影できるはずです。
決して日常的な状況だけでなく、時には非日常さえも超えた状況下で自己を見つめ直す。この接し方は現実を生きる我々にとって、非常に有意義であると感じています。善と悪の狭間で揺れながらも、自身の道を見つめ直すための時間を提供してくれるこの5冊の作品。一読してみて、皆様自身の思考に何か小さな変化が生まれることを心から願っています。
人間は完璧ではないからこそ、色んなドラマが生まれ、物語は魅力的になる。自身の未熟さを知りながらも、前進する勇気を失わないヒーローたちの姿には感動すら覚えます。そんな彼らが描かれた素晴らしい作品たち、皆様におすすめいたします。さあ、一緒に世界を旅しませんか?この5冊と共に、未知の冒険へと踏み出してみてください。
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