子供の貧困や虐待・ネグレクトを描いた小説10選
かつて子供自身が持つべき不思議な無垢さや喜びを描いてきた作家が、現代社会の矛盾や闇をえぐり出す、命がけの作品群です。それぞれが様々な背景と問題を抱える子供達の、時には厳しすぎる現実を通じて、私たちは世界の残酷さと同時にその強靭な生命力を垣間見ます。また、子供達の視点で綴られるストーリーは、善悪の線引きを曖昧にし、人間性の深さを問いかけます。貧困、虐待、ネグレクト――子供達が直面するこれらの壮絶な状況が、彼ら自身の成長にどう影響を与え、社会が彼らに何を伝えるべきかについて、これらの小説は深く考えさせられます。
『愛されなくても別に』
作者 | 武田,綾乃,1992- |
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価格 | 不明 |
発売元 | 講談社 |
発売日 | 2023年07月 |
『インフルエンス』
作者 | 近藤,史恵,1969- |
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価格 | 不明 |
発売元 | 文藝春秋 |
発売日 | 2021年01月 |
『八月の母』
愛媛県伊予市。越智エリカは海に面したこの街から「いつか必ず出ていきたい」と願っていた。しかしその機会が訪れようとするたび、スナックを経営する母・美智子が目の前に立ち塞がった。そして、自らも予期せず最愛の娘を授かるがー。うだるような暑さだった八月。あの日、あの団地の一室で何が起きたのか。執着、嫉妬、怒り、焦り…。人間の内に秘められた負の感情が一気にむき出しになっていく。強烈な愛と憎しみで結ばれた母と娘の長く狂おしい物語。ここにあるのは、かつて見たことのない絶望か、希望かー。
作者 | 早見 和真 |
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価格 | 1980円 + 税 |
発売元 | KADOKAWA |
発売日 | 2022年04月04日 |
『希望が死んだ夜に』
神奈川県川崎市で、14歳の女子中学生・冬野ネガが、同級生の春日井のぞみを殺害した容疑で逮捕された。少女は犯行を認めたが、その動機は一切語らない。何故、のぞみは殺されたのか?二人の刑事が捜査を開始すると、意外な事実が浮かび上がってー。現代社会が抱える闇を描いた、社会派青春ミステリー。
作者 | 天祢 涼 |
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価格 | 869円 + 税 |
発売元 | 文藝春秋 |
発売日 | 2019年10月09日 |
『両手にトカレフ』
作者 | ブレイディみかこ |
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価格 | 1650円 + 税 |
発売元 | ポプラ社 |
発売日 | 2022年06月08日 |
『永遠の仔 1(再会)』
作者 | 天童,荒太,1960- |
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価格 | 不明 |
発売元 | 幻冬舎 |
発売日 | 2004年10月 |
『黄色い家 = SISTERS IN YELLOW』
作者 | 川上,未映子 |
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価格 | 不明 |
発売元 | 中央公論新社 |
発売日 | 2023年02月 |
『アイムソーリー、ママ』
私は、女の顔をした悪魔を一人知っているのです。その女のしたことを考えるだけで、ぞっとします。彼女の本当の名前が何というのか、今現在、何という名前を名乗っているのかは知りませんけど、もちろん彼女はまだ生存していて、人を騙し続けています。そして、へいぜんと人を殺し続けています。かつて女であった怪物たちへ、そして、これから怪物になる女たちへ捧ぐ、衝撃の問題作。
作者 | 桐野夏生 |
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価格 | 1540円 + 税 |
発売元 | 集英社 |
発売日 | 2004年11月 |
『15歳、ぬけがら』
母子家庭で育つ中学三年生の麻美は、「いちばんボロい」といわれる市営住宅に住んでいる。家はゴミ屋敷。この春から心療内科に通う母は、一日中、なにもしないでただ寝ているだけ。食事は給食が頼りなのに、そんな現状を先生は知りもしない。夏休みに入って、夜の仲間が、万引き、出会い系と非行に手を染めていくなか、麻美は同じ住宅に住む同級生がきっかけで、学習支援塾『まなび〜』に出会う。『まなび〜』が与えてくれたのは、おいしいごはんと、頼りになる大人だった。泥沼のような貧困を生きぬく少女を描いた講談社児童文学新人賞佳作!
作者 | 栗沢 まり |
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価格 | 1430円 + 税 |
発売元 | 講談社 |
発売日 | 2017年06月21日 |
『里奈の物語 15歳の枷 (文春文庫)』
作者 | 鈴木 大介 |
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価格 | 850円 + 税 |
発売元 | 文藝春秋 |
発売日 | 2022年02月08日 |
今回、ご紹介した10作品は、決して明るいテーマばかりでないことに留意すべきです。子供たちの貧困や虐待、ネグレクトといった深刻な問題に焦点を当てています。これらの作品は社会問題に対する認識を深めるだけでなく、その中に存在する個々の人間の苦悩と生存を描き出すことにより、読者の共感と理解を促します。たしかに、これらのテーマは厳しいもので、時には読むのが心苦しいかもしれません。ですが、楽観的な脱力感や明るいエンターテイメントだけが小説や漫画の魅力ではありません。
そして、何より大切なのは、これらの作品が現実の社会問題に光を当てることで、私たちが見て見ぬふりをしてしまいやすい問題を、力強く浮き彫りにしたということです。読む者の興味と共感を引き出し、さらに行動を促すきっかけを作り出すことで、一種の社会的な使命を担っているとも言えるでしょう。
今日、この記事を読むみなさんにお願いしたいことがあります。それは、これらの作品に触れた際、リアルで厳しい現実を避けてしまわず、胸を開いて読むことです。そうすればきっと、ひとりの人間として、社会の一部として、何かを感じ取ることができるはずです。そして、その感情が具体的な行動へとつながるきっかけとなれば、果てしない可能性を秘めた未来が開けてくるでしょう。
これらの作品が、それぞれに違った形であっても、現代社会の改革や子供たちの未来が明るくなる一助となることを心より願います。共感を起こす力、変化を促す力の源泉となることを願います。これらの作品が描く現実を通して、私たちは自己の理解を深め、社会への意識を高め、人間の尊厳と平等を考えるきっかけとなることでしょう。どうか、その一部始終を読み進む際には、広い視野で捉え、愛と思いやりを持って接してみてください。それが、この重要な問題に向き合う最初の一歩となります。
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