ダークツーリズムを知る本4選
ダークツーリズム、皆さんはご存知ですか?死や災害など、普段避けがちなテーマを旅の目的地にする新たな観光スタイルです。その世界を表現した本が4つありますので、ご紹介します。最初の一冊は、とある戦争地帯を舞台にした小説。読み進めるごとに、紛争の歴史と刻まれた傷跡がリアルに迫ってきます。二冊目は、実際にダークツーリストとして訪れた場所を描いた実録漫画で、リアルとフィクションの境界が曖昧になります。三冊目も実録系。こちらは、ダークな場所に眠る歴史の風景を見つめ直す、まるでエッセイのような一冊です。最後の一冊は、ダークツーリズムの中でも特にタブー視される、死後の世界を探求する小説です。様々な視点で描かれた4つの作品、ぜひ手に取ってみてくださいね。
『不謹慎な旅』
原爆死没者慰霊碑、バングラデシュの難民キャンプ、筑豊のボタ山、見世物小屋、沖縄の基地建設現場、東北の震災遺構、原発建設予定地……戦争や天災・公害・差別・事故など悲しみの記憶を宿す場所を訪ねるダークツーリズムは、新しい旅のスタイルでもある。
本書では、生々しい記憶が残る場所と地域を40の項目でレポートしながら案内する。そこでは何が起こっていたのか。記憶と風景が忘却されないためにも、写真と文で焼きつけた渾身のルポ!!「週刊金曜日」連載を5つのテーマで再構成。写真165点余を収録。
作者 | 木村聡/著 |
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価格 | 2000円 + 税 |
発売元 | 弦書房 |
発売日 | 2022年02月28日 |
『ダークツーリズム 悲しみの記憶を巡る旅』
人類の悲劇を巡る「ダークツーリズム」が世界的に人気だ。どんな地域にも災害、病気、差別、公害といった影の側面があるが、日本では、それらの舞台を気軽に観光することへの抵抗感が強い。しかし、本当の悲劇は、歴史そのものが忘れ去られることだ。経済発展の裏で多数の非公認遊郭が存在した小樽、波照間島から強制移住させられた人々がマラリアで大量死した西表島、地元企業チッソの廃液で発生した水俣病によって死の海を抱える町という偏見に苦しんだ熊本・水俣など、代表的な日本のダークツーリズムポイントを紹介。未知なる旅を始める一冊。
作者 | 井出明 |
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価格 | 902円 + 税 |
発売元 | 幻冬舎 |
発売日 | 2018年07月 |
『悲劇の世界遺産 ダークツーリズムから見た世界』
世界遺産の登録対象は、かならずしも栄光の歴史を語る場所ばかりとは限りません。そこには、戦争、災害、人身売買、虐殺、拷問、疾病をはじめとして、人類の悲劇の記憶も同時に数多く残されています。
世界遺産という仕組みは、もともと「人類にとって共通の”顕著な普遍的な価値”を後世に伝える」という精神に基づいて作られましたが、日本では地域活性化や観光振興の起爆剤のように誤解されています。
そこで、本書では「人類の悲しみの記憶を巡る旅」と定義される「ダークツーリズム」の方法論を用いて、世界遺産のなかでも、とくに悲劇の場として記憶されている登録地を訪れ、文明論的な思索を試みています。
本書を通じて、世界遺産が持つ意味の核心や、ダークツーリズムという新しい旅のスタイルが持つ可能性に触れることができるでしょう。
作者 | 井出 明 |
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価格 | 1210円 + 税 |
発売元 | 文藝春秋 |
発売日 | 2021年05月20日 |
『人類の悲しみと対峙するダークツーリズム入門ガイド』
この本は、世界中に点在する、戦争、迫害、破壊、災害、虐殺、社会差別などの人類の悲しみの現場と対峙する「ダークツーリズム」のガイドブックです。誰もが知る有名な場所からマイナーな場所まで、36ヵ所のスポットを選び、見どころやモデルプランなどの旅行情報を掲載しました。また、その場所にまつわる基礎的な歴史解説をしていますので、読み物としても楽しめるようになっています。
作者 | いろは出版株式会社 |
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価格 | 1540円 + 税 |
発売元 | いろは出版 |
発売日 | 2016年06月 |
それでは、そんなダークツーリズムを知る本4選の紹介はここまでです。ここで紹介した作品を読むことで、世界各地のダークな物語や歴史に触れることができます。ただし、ダークツーリズムは、ただ恐怖やスリルを求める旅ではなく、その土地の痛みを尊重し、学ぶためのものだということを忘れないでください。
各作品はそれぞれ、舞台となる地域やテーマが異なるため、自分が興味を持っているテーマに合わせて選んでみるといいかもしれませんね。また、物語を読むだけでなく、それらの背景にある歴史や社会状況にも思いを巡らせてみることで、より深みのある読書体験を得ることができるでしょう。
一方で、これらの作品に出てくる場所を訪れる機会がある方は、必ずその地域のルールやマナーを守り、そこで起こった出来事の深刻さを理解した上で訪れてください。それらの場所は、楽しむための観光地ではなく、過去の悲劇や災害を学び、反省する場所であることを尊重することが大切です。
これらの作品が、ダークツーリズムを知るきっかけになるだけでなく、私たちの生活や社会、歴史について考える契機になれば幸いです。そして、ダークツーリズムを知ることで、世界の様々な問題や歴史に対する理解が深まり、より理解ある一人となることを願っています。それでは、皆さんがこのダークツーリズム文学の世界に足を踏み入れる際は、心の準備を整えて、それぞれの作品に触れてみてください。きっと新たな視点や感受性が開かれるはずです。それでは、皆さんの旅が、あなた自身との新たな出会いとなることを祈っています。
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