ここまで、江戸時代の性風俗に焦点を当てた10作品をご紹介させていただきました。見る方によっては、けっこうな衝撃を受けたかもしれませんね。それもそのはず、現代の感覚とは異なる江戸時代の性風俗の現実は、時折我々現代人にとって奇妙に映ることがあります。

しかし、奇妙と感じつつも一方で、「ああ、人間だなあ」という普遍的な感嘆もあるのではないでしょうか。時代や場所は異なれど、人間の欲情や生きるための知恵、人間らしさとは何かを考えさせられるでしょう。

この10作品は、性風俗だけを描いたものではなく、当時の一般的な生活や社会状態も見事に描き出しています。それぞれの作品からは、当時の人々の生き方、思考、感じ方が伝わってきます。それが事実の全てでないにせよ、作品を通じて江戸時代の風俗をかいま見ることで、現代とは異なる視点を提供してくれます。

読者の皆様にとって、これらの本があなたの知識の一部となり、時には楽しむための一つであり続けることを願っています。そして何より、これらの作品を通じて、江戸時代が現代人にとってただ昔の時代でなく、我々がこうした現代に生まれてくる前の人々の豊かな歴史、そして文化を再認識できればと思います。現代の日本がどのような過去から来ているのか、それを思い描くきっかけになれば幸いです。