自分の性別に疑問を持った時に読みたいLGBTに関する本4選

自己の性別や性自認に疑問を抱く瞬間は、誰にとっても葛藤や混乱の時期でしょう。「そんな自分は一体何者なのか?」と自問自答するあなたに、4つの素晴らしい作品をご紹介します。一つ目の作品は、自身がトランスジェンダーであることを自覚し戸惑う少年の物語。どうすれば自己を認め進むべき道を見つけることができるのか、という迷いを描き出します。二つ目は、ゲイの青年が社会と自己との間で葛藤し、最終的に自己を理解していくストーリー。三つ目は、自分がレズビアンであることに気づき、それを自ら受け入れていく女性の苦悩と成長を描いており、最後の一つは、バイセクシャルの主人公が周囲と自身の心の中で起こる変化をリアルに描いています。これらの作品を通じて、あなた自身の性別やアイデンティティの探求に一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
『あいつゲイだって アウティングはなぜ問題なのか?』

2021年11月は「一橋大学アウティング事件」の控訴審判決から1年にあたる。「パワハラ防止法」により、2022年4月からは中小企業でもアウティングの防止対策が義務付けされることになっている。
なぜアウティングは「不法行為」と判断されたのか? そもそもなぜ、性的指向や性自認といった個人情報の暴露が「命」の問題につながってしまったのか?
実は、一橋事件の前からこうした被害は起きていたし、現在も起きている。学校や職場などの身近な人間関係、不特定多数に瞬時に情報を発信できてしまうネット社会において、誰もが加害者にも被害者にもなり得るのだ。
校舎から飛び降りたのは、私だったのかもしれないーー。勝手に伝えることが誰かの「命」を左右する瞬間を、痛みとともに、ひとりの当事者が描き出す。
一橋事件を一過性のものとせず、被害を防ぎ、これ以上「命」が失われないためにも、いま改めて考えたい「アウティング問題」の論点!
■「アウティング」とは?
本人の性のあり方を同意なく第三者に暴露すること。
■「一橋大学アウティング事件」とは?
「おれもうおまえがゲイであることを隠しておくのムリだ」。一橋大学大学院のロースクールに通うAがゲイであることを、同級生ZがクラスメイトのLINEグループに同意なく暴露。心身に変調をきたしたAは2015年8月、校舎から転落死した。翌16年、遺族が学生Zと大学に対し損害賠償を求めて提訴。20年11月の控訴審判決では、本人の性のあり方を同意なく勝手に暴露するアウティングが「不法行為」であることが示され、世間的にも「アウティング=危険な行為」という認識が広まるきっかけとなった。地方自治体だけでなく、国レベルでも大きな影響があった。
はじめに
第一章 一橋大学アウティング事件ーー経緯
第二章 アウティングとは何か
第三章 繰り返される被害
第四章 一橋大学アウティング事件ーー判決
第五章 アウティングの規制
第六章 広がる法制度
第七章 アウティングとプライバシー
第八章 アウティングの線引き
第九章 アウティングのこれから
終章 アウティング、パンデミック、インターネット
おわりに
作者 | 松岡 宗嗣 |
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価格 | 1980円 + 税 |
発売元 | 柏書房 |
発売日 | 2021年11月26日 |
『彼女が好きなものはホモであって僕ではない』

作者 | 浅原,ナオト |
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価格 | 不明 |
発売元 | KADOKAWA |
発売日 | 2018年02月 |
『ぼくを燃やす炎』

ぼくたちは、自分のいちばんいいところを隠しながらでないと日々を生きられない世界に住んでいるー。スペインの人気ブロガーが書いた若いLGBTの声にもとづいた青春小説。スペイン大使館主催ニュースパニッシュブックス選定作品。
作者 | マイク・ライトウッド/村岡直子 |
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価格 | 2860円 + 税 |
発売元 | サウザンブックス社 |
発売日 | 2018年02月26日 |
『どこにも行けない』

作者 | 寺田 健吾 |
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価格 | 500円 + 税 |
発売元 | |
発売日 | 2023年12月21日 |
それぞれの作品を通して、物語の登場人物たちが自己探求を続ける中で得たものは本当に大切だと思います。混乱や迷いの中から自身の人生を見つめ直し、自分自身に正直になる。そんな経験を共有してくれる彼らの姿に、きっと多くの人が勇気をもらうはずです。
言うまでもなく、性別や性自認については決して他人に押し付けるものではなく、それぞれの個々の感じ方や捉え方によるものです。しかしこれらの物語が提供してくれるのは、そんな個々の感情や経験を肯定し、支える力です。それが人間が持つ多様性という大きな枠組みの中で描かれるたびに、読者は決して一人ではないと感じられるでしょう。
また、LGBTに限らず、性別や性指向について自分が何を思うのか、どう在りたいのかといった自己探求は誰もが経験するものです。これらの物語は自分探しの一助となり、また他人の人生に敬意を持つきっかけを提供してくれます。
私たちが自己理解の過程で直面するであろう多くの問いや不安、あるいは期待に対する答えは必ずしもこれらの作品にあるわけではありません。しかし、これらの物語が提供する「様々な生き方の可能性」に触れることで、自分自身のなかで試行錯誤する勇気をくれることでしょう。
何よりも、自分の性別について深く考えることが突如として訪れたとき、それはきっと自分自身の内なる声に気づいた瞬間でもあります。そしてそんな時、どんなに混乱していても読者を安心させてくれるのがこれらの物語なのです。
これらの作品には、自身のアイデンティティについて悩み、考え、そして受け入れていく姿が詰まっています。しんどい時、もしくは新たな自己探求の旅立ちに必要な勇気を与える一方で、差別や排除といった問題にも真正面から向き合っています。希望と共に現実も描き出すその姿勢は、これから自分の道を模索するすべての人々に対し大きな支えとなる事でしょう。
これからも自己と向き合う旅は続くでしょう。その旅路において心の励ましとなる一冊を見つけていただければ幸いです。その全てが皆さん自身の歩みを明瞭にし、自分を理解する手助けになることを祈っています。
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