ヨーロッパの文豪の未完の小説3選
まず、未完のまま絶筆されたフランスの天才作家の作品。圧倒的なリアリティと繊細な心理描写に引き込まれます。次に、ロシアの文豪が遺した草稿。主人公たちの思惗と愛憎の交錯が濃密に描かれ、読んでいて息を呑むほど。最後に、イギリスの偉大な作家が遺した謎多き未完作。未完だからこそ、読者自身が結末を想像できる魅力が。この3作品、未完のまま残された彼らの“最後の言葉”に、心酔すること間違いなしですよ。
『エドウィン・ドルードの謎』
嵐が過ぎ去ったクリスマスの朝、大聖堂の町から忽然と姿を消したエドウィン・ドルード。河の堰で彼の懐中時計が発見され、以前よりエドウィンと反目していた青年ネヴィルに殺人の嫌疑がかかるが、事件の背後にはある人物の暗い影が…。英国の文豪ディケンズが初めて本格的に探偵小説に取り組み、その突然の死によって未完となった最後の長篇。原書挿絵を全点収録。残された手掛りからドルード事件の真相を推理する訳者解説を付す。
作者 | チャールズ・ディケンズ/小池滋 |
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価格 | 1870円 + 税 |
発売元 | 白水社 |
発売日 | 2014年05月05日 |
『死せる魂 上』
作者 | ゴーゴリ/平井 肇/横田 瑞穂 |
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価格 | 792円 + 税 |
発売元 | 岩波書店 |
発売日 | 1977年03月16日 |
『城』
測量師のKは深い雪の中に横たわる村に到着するが、仕事を依頼された城の伯爵家からは何の連絡もない。村での生活が始まると、村長に翻弄されたり、正体不明の助手をつけられたり、はては宿屋の酒場で働く女性と同棲する羽目に陥る。しかし、神秘的な“城”は外来者Kに対して永遠にその門を開こうとしない…。職業が人間の唯一の存在形式となった現代人の疎外された姿を抉り出す。
作者 | フランツ・カフカ |
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価格 | 1155円 + 税 |
発売元 | 新潮社 |
発売日 | 1971年05月04日 |
これらの作品には、それぞれの時代や背景を共有し、生活の一部にしてくれるような力があります。しかし同時に、その一部が未だに見えない、つかみ所がない部分があることも事実です。作品が未完であるからこそ、物語の続きを予想するとき、私たち自身が創造力に訴え、想像を膨らます余地が生まれます。
完成された作品は、読者に完成された世界観を提示します。それは美しいものであり、私たちがその世界に没頭するためのたくさんの糧をくれます。しかし、未完の作品は違います。それは単なる終わりのない物語ではなく、無限の可能性、無数の結末、さまざまな解釈の余地をもたらします。
作家本人の手によってつけられなかったエンディングは、読者自身が考えることで物語はさらに豊かさを増していきます。それは、作家と読者との間に新たな会話を生み出し、物語を独特なものにしてくれます。
今回紹介した未完の名作たちは、その全てが現代の私たちにも響き、心に残るものばかりです。物語が終わらないことにより、読み手には無限の想像が許され、それぞれの物語を自由に形塑することができます。
皆さんも、一度は手に取ってその魅力を体験してみてください。きっと、普段の読書とは違った、新鮮な感動があるはずです。未完成ながらも、その価値を十分に認められるこれらの作品が、あなたにとって新たな発見の一冊となることを願っています。
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