「ミステリーの女王」と呼ばれ、現在も多くの作品が親しまれているイギリスの推理作家、アガサ・クリスティ。
シリーズとしては、ポアロシリーズとミス・マープルシリーズが作品数も多く有名です。
今回ご紹介する『なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?』は、ノンシリーズの長編作品。
そのため、クリスティ作品は何から読めばいいのかわからない! という方にとっても手に取りやすいと思います。
『なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?』というタイトルは、謎めいた雰囲気やストーリー展開の予想しにくさが感じられ、インパクトもあります。
これは冒頭で、崖下に転落していた男性が息を引き取る直前に発したセリフ。
偶然それを聞き取ることになったために命まで狙われたボビイと、幼馴染のお転婆お嬢様のフランキーが、
どんどんと突っ込んだ行動をして事件の真相に迫っていくという物語です。
素人探偵なので見当はずれな推理の方向に突っ走ったり、そのため危険な状況に陥ってしまったりもするのですが、
起伏に富んだスリルある展開は読んでいて飽きません。
また冒険味溢れる中にもしっかりと伏線が張られていて、ミステリーとしても面白く読み切ることができます。
なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?
……答えがわかってからの展開も必見です。