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『方丈記』と『徒然草』(島内裕子)は、鎌倉・室町時代の随筆文学の魅力を現代的視点で解説した一冊である。『方丈記』の無常観や自然観、『徒然草』の軽妙な人間洞察を丁寧に比較し、それぞれの作品が当時の社会や思想とどう結びつくかを分かりやすく論じている。文学作品としての面白さだけでなく、人生や人間関係への示唆も得られ、古典初心者にも読みやすい入門書である。
『方丈記』と『徒然草』は、日本の古典文学の中でもとりわけよく知られているだけでなく、後世の文学や美術に及ぼした影響力が大きかった作品である。明晰な論理性と気韻に富む文体で、人間認識と社会認識などの多様な思索を展開しており、圧倒的な写実力と説得力を特徴としている。また、『方丈記』と『徒然草』が依拠した日本や中国の古典との関わりを知ると同時に、後世に影響を与え、現代文学としても機能している事実を理解する。さらに、絵画化された美術作品にも触れ、文学と絵画の相互交流性を認識する。
1.『枕草子』の多様性 2.『枕草子』のゆくえ 3.『方丈記』のテーマ性 4.災害記としての『方丈記』 5.閑居記・書斎記としての『方丈記』 6.『方丈記』の達成 7.『徒然草』とは何か 8.『徒然草』の始発 9.隘路からの脱出 10.『徒然草』の描く人間、そして心 11.『徒然草』の説話と考証 12.『徒然草』における時間認識 13.批評文学としての『徒然草』 14.江戸時代の『徒然草』 15.『徒然草』のゆくえ
『方丈記』と『徒然草』(島内裕子)は、鎌倉・室町時代の随筆文学の魅力を現代的視点で解説した一冊である。『方丈記』の無常観や自然観、『徒然草』の軽妙な人間洞察を丁寧に比較し、それぞれの作品が当時の社会や思想とどう結びつくかを分かりやすく論じている。文学作品としての面白さだけでなく、人生や人間関係への示唆も得られ、古典初心者にも読みやすい入門書である。