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『記憶を失くした彼女の手紙 消えてしまった完璧な令嬢と、王子の遅すぎた後悔の話』の読書感想文をご紹介します。
本書を読んで、胸が締め付けられるような切なさを感じました。
完璧であったはずの令嬢の記憶喪失という衝撃的な展開から、物語は予想外の方向へと進みます。
王子が失って初めて気づく彼女の存在の大きさ、そして募る後悔の念が痛いほど伝わってきました。
記憶を失くしたことで、かつての殻を破り、新たな一面を見せる令嬢の姿は、どこか希望の光を感じさせます。
しかし、それと同時に、過去の幸せが失われた悲しみも深く、読者の心を揺さぶります。
王子のもどかしいまでの後悔と、記憶のない彼女との間で紡がれる、もはや過去とは違う関係性に目が離せませんでした。
タイトルの通り、「遅すぎた後悔」が全編を通して重くのしかかりますが、それでも二人の未来にわずかな光を求めてしまう自分がいました。
記憶を失うという悲劇を通して、本当に大切なものを見つめ直す物語は、読後、深く心に残る一冊でした。