「神が創造した世界は最善である」というライプニッツの主張に込められた哲学的背景や、その影響が後の哲学に与えた影響についても触れており、ライプニッツの思想の深さを理解する上で非常に有益です。哲学初心者にはやや難解な部分もありますが、ライプニッツの理論を体系的に学ぶために、じっくりと読んでいく価値のある一冊だと思います。
この記事はアフィリエイト広告を利用しており、広告の収益で運営しています。
作品詳細を開く
発売日: 2025年02月28日
発行元: 知泉書館
ライプニッツの『弁神論』(1710年)は,ヴォルテールやカントによって誤解され,哲学史の中で長らく正当に評価されてこなかった。しかし本書では,『弁神論』が形而上学・認識論・倫理学・神学を統合した体系的な哲学書であり,近代哲学において決定的な役割を果たしたことを明らかにする。
ライプニッツによれば,神は無限の可能世界の中から,最も調和のとれた世界を選択せざるを得なかった,と主張する。しかし「最善」とは単に善が最大化された状態ではなく,多様性と秩序,善と悪,自由と必然が最適に調和する状態を指す。彼の議論は,「数学的な論証」ではなく,「道徳的な論証」(=証明)を通じて最善世界の合理性を示す試みである。本書は,ライプニッツがどのように「最善世界説」を神の自由,倫理,世界の秩序と結びつけたのかを精緻に分析する。
また本書は『弁神論』におけるライプニッツの議論を,その同時代の批判や受容史とともに分析する。ピエール・ベールの懐疑論に対し,ライプニッツが神の知恵と世界の秩序をどのように擁護したのかを詳述し,彼の「弁護的な側面」と「教説的な側面」の区別を明確にする。さらに18世紀フランスにおける「オプティミスム論争」やカント,ヘーゲルからの批判・評価などを取り上げ,ライプニッツ思想の歴史的意義を検証する。
本書は,『弁神論』の理論的意義とその影響を読み解き,ライプニッツ研究のみならず,近代思想の展開を理解するための必読の書である。
すべて見る
新着の本すべて見る
30日間で人気のまとめ記事





すべて見る
小説のまとめ記事





すべて見る
自己啓発のまとめ記事





すべて見る
おすすめのまとめ記事





すべて見る
ビジネス書のまとめ記事



