この巻では、フレイヤを含めた女性3人の戦い方が異なっていて、それが生き方の違いに現れていると感じました。
偽王子として生きるフレイヤ。
国民を守るために、王女でありながら敵国ゾフィの侍女でいることを選んだエッダ。
美貌を女の武器として孤独に戦うゾフィ。
三人三様で、話の面白さに彩りを加えています。
ゾフィと対峙した折、エッダの心根の強さと本来の気高さが表面化し、
コンラートのエッダに対する愛も強く伝わってきました。
ナハトの砦で、2人のために動いたフレイヤたちが信頼を勝ち得たのは、当然といえば当然です。
一件落着に見えたところ、シグルスの皇帝がやって来ていることを知り、逃げることを選んだフレイヤ。
己の力量を測り、判断できるようになったフレイヤを見て、成長を感じました。
時間を稼ぐために、囮となって森を馬で駆けるフレイヤとアレク。
疾走する中、フレイヤから頼られたいアレクが掛けた言葉に、いい男だと思わず唸りました。
今までずっと傍らにいたからこそ出てくるもので、その一途さが堪りません。
頑張れ!と、その恋を応援したくなります。
シグルスの追撃をかわし、森の民の船に乗ったフレイヤたち。
ボロボロになった体で朦朧とした意識の中、フレイヤとの約束を持ち出すユリウスは、普段の態度に反して可愛らしいです。
出立前に、エッダから王権の宝珠を託され、物語が更に進んでいくのを感じてワクワクします!