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【分かり合えないからこそ、歩み寄ろう】
心が終始かき乱される巻だった。「なりたいものになりなさい。何でも自分で決められるようにならないと。」と言いながらも、いざ朝が自分のやりたいように行動に移したら文句をたれた実母(槙生の姉)。「朝の好きなようにすればいいんじゃないか。お母さんに叱られないようにね。」と無責任さと無関心さが滲み出ていた朝の実父。彼らに育てられた朝は何を決めるにも否定されるのではという呪縛にとらわれている。朝のやるせない感情を少しのセリフと画力で読者に伝える作者の表現力にただただ圧倒される。