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『るるひかる 1 ―Vampire Memories-』は、今村翠が描き出す幻想的で切ない世界観に一気に引き込まれる一冊だった。吸血鬼という存在を単なる怪物としてではなく、哀しみや葛藤を抱えながら生きる存在として丁寧に描いている点が心に残る。主人公の揺れる想いと、彼を取り巻く人々との関係性が静かな緊張感を帯びていて、読んでいる側も自然と胸が締めつけられる。闇と光が交錯するような場面の描写は詩的で美しく、余韻が長く残った。血と絆、孤独と希望が複雑に絡み合う物語であり、ただのファンタジーではなく、人生そのものの苦しみや温かさを映し出しているように感じた。続きがどう展開していくのか、次巻への期待が高まる序章だった。