日本の近代文学テクストを「芝居」と「女性」という2つのキーワードを中心に据えて論じる。
主として斎藤緑雨と太宰治という二人の近代文学者に焦点を当て、同時代の言説や同時代の社会文化状況、当時既に成立していた文学や芝居のような先行テクストを足掛かりに、小説テクストの分析を行う。
1つ目のキーワードは「芝居」。その大衆性ゆえに、題材として、引用として、描写の一部として、近代文学のなかで重要な役割を占め続けた。その知識を研究の俎上に載せることで、テクストを今一度読み替える。特に「見立て」という「芝居」的な観点から近代文学を捉えると何がわかるのか?「芝居」と〈近代批評〉を接続する。
2つ目のキーワードは「女性」である。太宰治の「女語り」、いわゆる〈女性独白体〉における「女性」とは何かを考える。性別を二分することの必然性が突き崩されているいま、近代文学のテクストはどう読んでいくとよいのか。
第一章「近代とは何か―明治二十年代と「芝居」―」、第二章「太宰治の「女語り」①―構築される「女性」―」第三章「太宰治の「女語り」②―「芝居」の中の「女性」―」及び附章「コリア語からの視点―翻訳と物語―」の合計14節より成る本書は、解釈を何よりも重視し、物語と向き合った、日本近代文学「芝居」「女性」論である。
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