ありがとう
0
主人公は25歳の二宮風吹。
「必死になるのはカッコ悪い」とどこか冷めたスタンスで、就活でも「どうしてもと言うなら働いてあげてもいい」なんてスカしすぎて全敗。結局、バイト先の家庭教師センターに拾われる形で契約社員になった、そんな彼女が物語の主役です。
ところが、そんな風吹が「鍵屋さん」に一目惚れしたことで、彼女の日常は一変します。
あんなに「必死になるのはみっともない」と言っていたはずなのに、彼に会いたい一心で鍵をなくしたフリをして依頼を繰り返したり、彼の家の前で偶然を装ってみたり……。その行動は、客観的に見れば一番「必死」で、一番「みっともない」ものばかり!
道ゆく人を心の中でちょいちょい小馬鹿にしているのに、自分自身が一番なりふり構わず突き進んでいる。その矛盾だらけの姿が、なんともおかしくて愛おしいのです。
スカした仮面が剥がれ落ち、恋に翻弄される彼女の姿を見ていると、「人間、必死な時ほど面白いし、魅力的だな」と思わされます。
どこか冷笑的だった風吹が、不器用ながらも一生懸命に自分の感情と向き合っていく。そんな彼女のことが、読み終える頃にはすっかり好きになっていました。















