子供のころ、尊敬する偉人はと聞かれると必ず野口英世と言っていた。そんな野口英世の話を今にして読んでみたが、あまりに想像とは違っていた。金使いが荒く、極端な性格。男芸者と呼ばれるほどに金を貢がせ、返さない。これほどまで最悪な男だったとは…。しかし、数週間で外国語を覚える頭の良さ。賢い人はちょっと変わってると言う言葉の典型的タイプ。
この本を読んだおかげで、野口英世の人間らしさを知ることができた。いつかまた、再読したいと思わせる作品です。
この本は上下巻に分かれているが、後半は野口英世が成功して一躍有名になってからの話。しかし、有名になりこれまでの努力が報われ差別から解放されたが、新たな研究をみつけられず追い込まれる姿が、読んでいて辛くなった。 そして、黄熱病の研究が間違っていたことはさらにやりきれなさを思う。人間性に多少問題があり、そのことがわかった今でも、最後まで一生懸命で一直線に人生を走りきった野口英世は、私にとってやはり尊敬する偉人である。