有川浩が『有川ひろ』とペンネームを変えてから出版された、書籍2冊目です。
絶対泣く。と謎の自信を持ちながら購入しました。
猫を題材にした短編集になっていて、過去作である『旅猫リポート』や『アンマーとぼくら』のスピンオフも入っています。
読了済みの方に強く、強くおすすめします!
個人的に『旅猫リポート』でお馴染みの、ナナと悟の一幕に目が潤んでしまいました。
短編集には、猫視点と人間視点の物語があります。
どちらの視点も存分に楽しめて、読みごたえもばっちりです。
猫視点のお話では、実際に猫はどんな事を感じているのだろう、もし話せたら何を話すのだろうと、きっと思ってしまうでしょう。
特に物語のひとつである『シュレーディンガーの猫』は、赤ちゃんと子猫の関係が本当に可愛いです。
ふみふみしている様子が目に浮かぶようでした。
どの物語も感動と、クスッと笑えるおもしろさに溢れていますが、最後の『みとりねこ』には涙が止まりません。
何故、猫である浩平が看取ろうとするのか、その理由と優しさを知ったとき…感動します。
ペットを飼っていれば、いつかは必ず来てしまうお別れに、思うものがある飼い主さんも多いでしょう。
残った時間を大切にしたい。
家族の一員として寄り添う猫と周囲の人々の優しさは、読み終えたあとも心に残ります。
猫好き・猫を飼っている方はもちろん。猫は普通かな、という方にまで幅広く楽しむことができる作品です!