就活中の主人公の新垣澪が、一流不動産会社を受けるところからこの物語は始まります。
最終面接で若手の部長・長崎次郎に「面接官は何人いる?」と聞かれ、澪は素直に4人と答えました。
実際には3人しかいないのに、澪には4人目の存在が見えてしまっていたのです…。
それがきっかけで、事故物件を扱う「第六物件管理部」の新入社員として、次郎の下で働くことに。
主な仕事の内容としては、幽霊が関わっていると思われる物件を調査して、そこを通常通り使えるようにすること。
この文章だけだと簡単そうに思えるかもしれませんが、調査の過程では実際に幽霊の出る部屋に泊まり込むこともあり、
ラップ音などの霊障を体験するだけではなく、幽霊に襲われることもあり…なかなかハードな仕事です。
自分に霊感があることにすら気付いていなかった澪が泣き言を言うのも、仕方のないことでしょう。
幽霊の描写はしっかりしているので、読み手としても怖さを感じる場面があります。
それでもなんとか次郎の役に立とうと頑張る澪を応援したくなります。
次郎がなぜ普通では考えられない部署で働いていたのかという理由も明かされるので、
今後その点がどう展開していくのかも気になるところです。
短編で読みやすいので、気になる方はぜひ手に取ってみてくださいね。