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「マンション広告のコピー=マンションポエム」と名付け、東京の都市イメージがどう演出されているかを20年かけて収集・分析した都市論的エッセイ。344ページの本書は、広告表現・地名・鉄道網との関係など多角的に「東京がどう語られているか」をあぶり出していて、コピーという日常の“言葉”から都市の構造や価値観を読み解きたい人に刺さる。
文章はユーモアと批評精神が程よく混じっていて、「宣伝文句」に対するモヤモヤを抱えていた人には、読むと納得と気づきがある。時には過剰に感じる文体もあるが、それが逆に都市を語る言葉の“ずれ”を浮き彫りにしていて、本質を考えさせられる。東京での暮らし・不動産・広告に少しでも関心がある人にとっては、大きな示唆をくれる一冊。