薄刃家の親族でもある甘水直は、夢見の力を持つ美世を手元に置こうと狙っています。
美世の母のかつての婚約者でもある甘水は、美世のことを”我が娘”と呼び、迎えに行くとも美世に告げます。
この甘水の存在は注目ポイントでしょう。
彼の力は人の精神や脳に影響するもののため、味方であるはずの隊員を操ることも可能なのです。
一瞬でも隙を見せれば美世を甘水の手に渡してしまうと考えた清霞は、屯所で美世を守ることに決めるのでした。
清霞と共に、屯所で過ごすことになった美世は、家では見ることのできない清霞の姿に新鮮さを感じます。
前作で美世に対する気持ちを自覚した清霞は、以前よりも美世へのスキンシップも多め!
夜道を歩く際にも手をつないだりと、二人の距離が少しずつ近づいて行く様子を感じられ、読んでいるとキュンとしてしまいます。
ただ、美世を護衛するため女性の隊員・薫子が登場したことによって、美世は少しモヤモヤとした気持ちを抱くようにも……
実は薫子は清霞の元婚約者候補だった人物。
気軽に話す二人の姿に美世はモヤモヤ…
しかし、女性として小隊で活躍する薫子と共に過ごすうちに、実家にいた頃の自分が重なって見えるようになっていきます。
美世にとっては初めてのライバルであり、友人となる薫子との関係性も今作品の見どころでしょう。
タイトルの「幸せな」の後に続くのが、人生でもあってほしい今日この頃。主人公たちが幸せであるのも勿論だし、主人公は頑張りすぎてるほど周りを幸せにしてるけど、もっと周りも幸せになってほしい。そんな、脇役も素敵な小説なんよ……