西武大津店の閉店から始まって、成瀬あかりを中心に短編で繋がってストーリーが進んでいく。
成瀬という特異なキャラクター設定に驚かされるものの、そんな成瀬を受け入れる幼なじみの島崎ゆかりの視線を通じて、読者も成瀬の超人ぶりを受け入れられているような気がする。
成瀬が登場しない短編に登場するマサルと敬太も、タイプは違うのに幼なじみの関係がずっと続いていて、成瀬と島崎の関係性に通じるものがあって、成瀬たちの関係も敬太たちのように長く続くことを連想させて、微笑ましい感じがする。
別々の短編で登場した二組の幼なじみは西武の閉店と地元のつながりで、後段の短編で一緒に登場する。連作短編の構成が、長編以上のつながりを持って描かれているのは見事。
自分の意思を曲げない成瀬。周りから変人扱いされるも自分の目標をしっかりと決め、それに向かってひたすらに突き進む。今の現代人には憧れる生き方だと思います。そして、それを取り巻く人たちとの関わりで、成瀬も人の子であることもわかります。
本屋大賞受賞の本って、知ってるけど読んだことないとか、読んだけどちょっと好みじゃないとかのこともあるんだけど、これは面白かったな
成瀬さんがとにかくかっこいいから、そばでずっと見ていたい感じがする。
こんなふうに生きている友達がいたら楽しいだろうな。ベタベタしすぎない友情というのもいい。
【2024年本屋大賞 大賞受賞作】
主人公【成瀬あかり】の中学2年生から高校3年生までの物語。
話題に上がっていたので読んでみました。
奇想天外な発想の持ち主で、だけど芯がある成瀬というキャラクターの魅力と
その成瀬を絶対に大物になると成瀬が大好きな相方や、そんな我が道を行く成瀬に魅了された人達と、何をしても止まることのない社会の流れ。
世界を救う系なのかな?と読み始めた自分に、某弱無人に振る舞う成瀬と、それでも日常は進んでいく社会との掛け合いのギャップが逆に読みやすくて良かった。
それこそ成瀬は何かをしてくれるんじゃないか?という成瀬の周りの人と同じ視点に立てる本であるからこそ、本屋大賞大賞受賞作なのだと思います。
詠んだらワクワクして続きが気になる作品
本屋大賞を受賞したことをきっかけに
読んでみました。
主人公は滋賀県大津市に住む成瀬あかり。
いろいろなことに興味関心を持ち
成瀬は人生を通じて、達成したいことや
やりたいことがたくさんある女の子。
やりたいと言ったと思ったらすぐに行動する
フットワークの軽さに唖然としてしまいました。
読みながら最も印象に残ったことは、
成瀬あかり氏と私では
「うまくいかなかったこと」の捉え方が違うということです。
「花が咲かなかった(うまくいかなかったこと)」も「肥やし(成長)」に
なるのだと考えれば、失敗もマイナスなことではない。
わかる、わかるんだけど実践しようとすると難しいのが正直なところ。
まぁでも、時には好奇心と興味だけで突っ走ってみてもいいのかもしれないと思いました。
成瀬あかり氏の我が道をいく行動力と
成瀬あかり氏を支える周囲のあたたかな雰囲気が絶妙です。
何かに挑戦したいけど、失敗したくない、否定されたくないと思って
立ち止まっている方の背中を押す1冊になると思います。