矢羽野隆男『大学・中庸 ビギナーズ・クラシックス 中国の古典』は、中国古典の入門書として、『大学』と『中庸』の思想をわかりやすく解説した一冊です。儒教の基本理念である自己修養や道徳、社会との調和の重要性が具体例とともに示され、現代生活や人間関係にも応用可能です。初学者でも理解しやすく、中国古典の知恵を現代に活かすヒントが豊富に詰まった解説書です。
『大学』では、国家の指導者を目指す者たちは、単に学問を身につけるだけでなく、自己をよく修養し、徳を身につける必要があることを説く。
『中庸』では、人間の本性とは何かを論じ、いわゆる「中庸の徳」(いかなる場合でも、感情が動く前の偏りのない静かな状態である「中」を守ることのできる徳のこと)を説く。
本書では、初心者でも抵抗なく読めるよう、活字は大きく(本文14級)、読み下し文は総ルビとし、一語一語の解釈を学ぶのではなく、現代語訳で全体の意味を理解できるようにした。
目 次
『大学』『中庸』解説
大学
1 『大学』のエッセンスーー経の一章
■コラム1 二宮尊徳の読む本は何?--『大学』にもとづく実践哲学
2 明徳を明らかにするとは(釈明明徳)--伝の第一章
3 民を新たにするとは(釈新民)--伝の第二章
■コラム2 二宮尊徳の道歌ーー和歌で説かれた『大学』『中庸』の教え
4 至善に止まるとは(釈止至善)--伝の第三章
5 本末とは(釈本末)--伝の第四章
6 物に格りて知を致すとは(釈格物致知)--伝の第五章
■コラム3 朱子の「格物補伝」
7 意を誠にするとは(釈誠意)--伝の第六章
8 心を正し身を修めるとは(釈正心修身)--伝の第七章
■コラム4 王陽明の『大学』説
9 身を修め家を斉えるとは(釈修身斉家)--伝の第八章
10 家を斉え国を治めるとは(釈斉家治国)--伝の第九章
■コラム5 帝王学の教科書から現実政治の書へ
11 国を治め天下を平らかにするとは(釈治国天平下)--伝の第十章
■コラム6 『大学』にもとづく江戸の経世論ーー熊沢蕃山の『大学或門』
中庸
1 『中庸』思想の原点ーー第一章
■コラム7 懐徳堂の『中庸錯簡説』
2 孔子の説く中庸ーー第二章〜第十一章
■コラム8 『中庸』と郭店楚簡「性自命出」と
3 広大明白な現象(費)と隠微な原理(隠)--第十二章〜第二十章
■コラム9 霊魂は存在するのかーー『中庸』の鬼神章をめぐって
4 孔子が哀公に説く政治論ーー第二十章
■コラム10 日本人の心性に合った「誠」
5 子思の説く誠ーー第二十一章〜第三十二章
誠よりして明らか、明らかなるよりして誠(第二十一章)/至誠の聖人は天地と6 結びーー『詩経』の言葉ととものーー第三十三章
■コラム11 漱石『それから』のキーワードとなった『中庸』
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