かつて雛菊を誘拐したテロリストである”賊”の襲撃と、秋の代行者の誘拐の続きが気になり過ぎて、前作を読み終わってすぐに買いに走りました。
正直、代行者たちのリベンジが楽しみでしょうがありませんでした。
秋の代行者・撫子が拐われた上に、味方の中にスパイが複数いるという状況に終始ハラハラドキドキが止まりません。
今も雛菊に執着する賊の筆頭は、美しいながらも残酷で冷淡で歪んでいる人格を持つ女性です。
今までひどい目に遭ってきたようですが、それにしても色々壊れていて、かなり強烈な人物でした。
理不尽で人を傷つけることしか考えていない姿は、四季の代行者たちとは真逆そのもの。
幼い撫子を取り戻すべく奮闘する面々も、最後の最後まで応援したくなること間違いなしです。
夏組と秋の護衛官である竜胆がめっちゃ頑張ってます。
物語の構成がとてもうまく、登場人物たちの優しさや悲哀が文字を通して伝わってくるようでした。
息をつかせぬ展開のはずなのに、雅やかな文章のおかげでとても美しく感じます。
特に、雪辱の思いを果たす春組と冬組の活躍は、必見です。
現実世界でも辛くて苦しいことは避けられません。
自分がどん底に入る時、支えてくれる人を何よりも大切にしたいと思える作品です。
読み終わった後も、雛菊やさくらのこれからが少しでも穏やかで幸せな日々が続くようにと願わずにはいられませんでした。