アイルランド人作家の小説3選
あのアイルランドの美しい風景や伝統を描きながら、深遠な人間ドラマを紡ぎ出す3作品をご紹介します。ひとつめは、田舎町での日常を静かに描いた名作。淡々と描かれる風景と人々の生活が心に静かに沁みます。次に、ドキュメンタリー風に描かれるバブル時代の描写が鮮やかな一冊。スリルとユーモラスさが兼ね備えた作品で、一気読み必須です。最後は、アイルランド民族文化と宗教的なテーマを交えた作品。思索を促す深いテーマについての考察が楽しめます。どれもその土地ならではの表現が見どころ。ぜひ手に取ってみてくださいね。
『ユリシーズ（全4巻セット）』
| 作者 | ジェームズ・ジョイス/丸谷才一 |
|---|---|
| 価格 | 5225円 + 税 |
| 発売元 | 集英社 |
| 発売日 | 2011年09月15日 |
『ドリアン・グレイの肖像』
19世紀末、ロンドン。画家のモデルをつとめるドリアンは、若さと美貌を映した自らの肖像画を見て、自分自身はいつまでも若々しく、年をとるのは絵のほうであってほしいと願うーー。快楽に耽り悪行に手を染めながらも若さを保ちつづけるドリアンと、かれの魂そのままに次第に恐ろしい醜悪な姿に変貌する肖像画との対比を描く。新訳。
ドリアン・グレイの肖像
序言
第一章
第二章
第三章
第四章
第五章
第六章
第七章
第八章
第九章
第十章
第十一章
第十二章
第十三章
第十四章
第十五章
第十六章
第十七章
第十八章
第十九章
第二十章
＊
訳 注
解説（富士川義之）
| 作者 | オスカー・ワイルド/富士川 義之 |
|---|---|
| 価格 | 1254円 + 税 |
| 発売元 | 岩波書店 |
| 発売日 | 2019年09月19日 |
『縞模様のパジャマの少年』
大都会ベルリンから引っ越してきた見知らぬ土地で、軍人の息子ブルーノは、遊び相手もなく退屈な毎日を送っていた。ある日、ブルーノは探検にでかけ、巨大なフェンス越しに、縞模様のパジャマを着た少年と出会う。ふたりの間には奇妙な友情が芽生えるが、やがて別れの日がやってきて…。
| 作者 | ジョン・ボイン/千葉茂樹 |
|---|---|
| 価格 | 1980円 + 税 |
| 発売元 | 岩波書店 |
| 発売日 | 2008年09月 |
以上、素晴らしいアイルランド人作家による小説3選をご紹介させていただきました。この3作品は、それぞれ異なる風味と深みを持っていますが、共通して言えることはそれぞれがアイルランドの土地、人々、そして文化を独自の視点から描き出しているということです。
高い敬意と愛を込めて描かれた透き通るような景色、密度の濃い人間関係、時にはアイルランド史の一部と絡み合った緻密な物語…いずれも我々に知られざるアイルランドの魅力を存分に堪能させてくれるはずです。この国の歴史や文化に触れ、また作家たちの個性や思いを感じ取ることで、読者として新たな視野と理解が得られること間違いなしです。
ひとつひとつの作品がアイルランドの豊かな風景を人々の美しい生活とともに描いています。政治的な背景や歴史的なイベント、そして人間の営みが見事に絡み合い、深くリアルな感情を引き出します。どの作品もアイルランドの人々の生活と文化に対する深い敬意と愛情を感じ、読む者をアイルランドの世界へと引き込みます。
是非ともこれらの作品を手に取り、その世界に足を踏み入れてみてください。そのページをめくる手が止まらなくなること、間違いありません。本を閉じた時に、違った視野、新たな理解が得られることでしょう。これほどの作品があること、そしてそれがアイルランドから生まれてきたことは、本当に素晴らしい事ではないでしょうか。
以上、「アイルランド人作家の小説3選」でした。次回もまた、良質な作品をご紹介できることを心より楽しみにしております。
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