プラトンに関する本 おすすめ8選 古代ギリシャの哲学者

古代ギリシャの哲学者、プラトン。彼の思想は単純に説明すると「理想の世界を追求する」こと。ですが、その深遠さは一言で語り尽くせるものではなく、現代にも影響を与えています。今回は、彼の哲学や生涯を解き明かす、あるいは現代に生きる我々にとって新たな視点を提供してくれる8冊の本をご紹介します。驚くべき考察、興味深いエピソード、理想的な世界から現実への視線。プラトンが提唱する「永遠の教訓」を探求すると共に、より深い理解を得ることで、新しい世界が見えてくるかもしれませんよ。何冊かは読みやすいものも含まれていますので、哲学初心者の方でも安心です。
『はじめてのプラトン 批判と変革の哲学』

プラトン哲学の「おもしろくて大切なところ」をあえて一言で表わせば、「批判と変革の哲学」だ、と言いたい。こんなふうに表現すると、プラトンを旧式の左翼の一員に仕立てているように聞こえそうだ。だが、これは特定の政治的立場を表わそうとしたものではない。
「批判」つまりクリティークとは、非難したり否定的な態度をとったりすることではなく、相手とする主張の論拠やそこからの帰結などについてよく考察し、事の是非を判断することを言う。
「変革」も、政治体制だけではなく、日常的な考え方や生活を含む人間の営みの全体がその対象となる。そしてプラトンは「批判と変革」を自身の思考についても実践していた。
これらすべての意味で、「批判と変革の哲学」なのだ。
プラトンは探究し、執筆し、そして教育した。そうしたなかで彼が直面していたのは、森羅万象を支える根本原理は何か、よい生き方とは何か、といった「哲学的」問題だけではない。
当時の人びとに人気を博したホメロスや悲劇・喜劇、あるいは幼年や少年時に施される体育や音楽の教育といった人びとの日常的営みに対してもプラトンは向き合っていた。いやむしろ、そこから哲学を考えていた。そして彼は、日々の暮らしから世界の根源にいたるまでの全体を相手に、批判的に、かつ包括的に考えたのだ。
同時に、そのような考察がたどり着いたところを広く伝えることに腐心した。彼は一般に人びとに何かを伝える媒体(メディア)のあり方にきわめて意識的だったが、とりわけ自分自身の思考が人びとに届くよう工夫を凝らした。
その著作に、それに触れる人びとの知性と感性にも訴え、反省的な思考だけでなく感情や想像力までも喚起し、そしてそれらを変更する力を与えたのである。
それが彼の哲学、「批判と変革の哲学」である。
【本書の内容】
第一章 プラトンはどう書いたのか、プラトンをどう読むか
第二章 プラトン哲学の原点
第三章 自己と他者を変える対話
第四章 魂・徳・知の関係
第五章 変革へと促すイデア論
第六章 魂の分割 『国家』その1
第七章 哲学者と善のイデア 『国家』その2
第八章 プラトン、その後に
知、真理、魂のあり方を徹底的に考え抜いたプラトンが導く、思考の冒険!
作者 | 中畑 正志 |
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価格 | 990円 + 税 |
発売元 | 講談社 |
発売日 | 2021年05月19日 |
『プラトン入門』

作者 | 竹田青嗣/著 |
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価格 | 1200円 + 税 |
発売元 | 筑摩書房 |
発売日 | 2015年06月10日 |
『プラトン 人と思想新装版』

作者 | 中野 幸次(著) |
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価格 | 850円 + 税 |
発売元 | 清水書院 |
発売日 | 2018年12月13日 |
『プラトンの哲学』

作者 | 藤沢,令夫,1925-2004 |
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価格 | 不明 |
発売元 | 岩波書店 |
発売日 | 1998年01月 |
『プラトンを学ぶ人のために』

「哲学の原点」ともいえるプラトン哲学の基本的特色に照明を当て、その「対話」による方法と多面にわたる思想の全体的な見取図を提示するとともに、「現代」との接点を展望する。巻末には基礎的かつ有用な「文献案内」を収載して、広範な読者の便宜に資する。
作者 | 内山勝利 |
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価格 | 2530円 + 税 |
発売元 | 世界思想社 |
発売日 | 2014年07月 |
『新版 プラトン 理想国の現在』

近代日本に「理想」という言葉を生み、未来をひらく力を与えたプラトン哲学。主著『ポリテイア』の核心を捉え、哲学の可能性を示す。解説 熊野純彦
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「理想」という語は、明治の時代、プラトンの「イデア」の訳語として造られ、定着した。そしてプラトンの最高傑作『ポリテイア』(『国家』)が『理想国』の標題で出版され、近代国家建設をめざす多くの日本人の希望の拠りどころとなる。だが、新たな理想社会を創らんとするその熱情は、やがて全体主義に利用される運命を辿ったーー。かくも激しく人々の魂を突き動かしたプラトンの理想主義哲学とは、果たしていかなるものか。『ポリテイア』の核心を読み解くことで、哲学という営みが切りひらく最良の地平を描き出す。初学者への案内として「プラトン『ポリテイア』を読むために」を付した決定版。
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哲学とは何であったか?
プラトン主著の核心を読み解き、「理想」とは何かを問う。
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序 「理想」を追う哲学ーーあるいは、現代のドン・キホーテ
第1部 現在の鏡としての『ポリテイア』
第一章 『ポリテイア』の正義論
一 プラトン正義論の特異性
二 現代正義論の限界
三 人間本性(フュシス)への問い
第二章 理想国論批判の再考
一 ポパーによる問題提起
二 受容史からの考察
三 理想国論の位置づけ
第三章 「哲人王ホメイニー」
第2部 『ポリテイア』を読んだ日本の過去
第四章 新しい日本語のプラトン
一 大西祝の挑戦
二 プラトンの翻訳登場
三 哲学的対話の文体を求めて
第五章 明治から大正へのプラトン
一 近代日本の問題としての『ポリテイア』
二 明治期の導入
三 戦前の翻訳
四 大正期の一般的関心
第六章 戦前から戦後へのプラトン
一 『ポリテイア』の「政治化」
二 戦後の関心
第七章 「理想国」への挑戦と挫折
一 「理想」という哲学用語
二 ユートピア思想のなかで
三 近代日本の「理想」
四 宗教の理念、良心の根源
第3部 私たちが語る未来の「ポリテイア」
第八章 「ポリテイア」とは何か?
一 著作標題再考
二 「ポリテイア」の意味
三 「内なるポリテイア」
四 魂とポリスの類比
第九章 「天上に掲げられたポリス」
一 伝統的位置づけの問題性
二 問題テクストの検討
第十章 「理想」を書く/読むこと
一 「理想」という哲学概念
二 ユートピアの想像力と笑い
三 理想を書く言葉
付録 プラトン『ポリテイア』を読むために
あとがき
新版 あとがき
初出ノート
註
参考文献
解説 いまだ到来しない世界へ(熊野純彦)
人名索引
作者 | 納富 信留 |
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価格 | 1540円 + 税 |
発売元 | 筑摩書房 |
発売日 | 2023年12月11日 |
『知の教科書 プラトン』

西洋哲学、ここに始まる! 哲学の源流と謳われる知の巨人の思想の全体像を俯瞰。最新の研究成果をふまえた決定版「プラトン入門」!
作者 | ミヒャエル・エルラー/三嶋 輝夫/田中 伸司/高橋 雅人/茶谷 直人 |
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価格 | 2035円 + 税 |
発売元 | 講談社 |
発売日 | 2015年10月10日 |
『プラトン『国家』を読み解く : 人間・正義・哲学とは何か』

作者 | 岡部,勉,1949- |
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価格 | 不明 |
発売元 | 勁草書房 |
発売日 | 2021年12月 |
それでは、この辺りでプラトンに関する本のご紹介を終えさせていただこうと思いますが、いかがでしたでしょうか。様々な視点からプラトンを描いた作品を8冊ピックアップしました。思弁的な内容から人間ドラマまで、書き手や時代によっても違いがあるのが面白いですよね。深遠に思える哲学も彼を通じて学ぶことで、身近に感じられるはずです。
一冊一冊の作品が、まるでプラトン自身と対話をしているかのような感覚を呼び起こします。彼の思想や人間性を深く理解しようとする作家たちの情熱を感じることができますよね。プラトンの哲学へのアプローチは独特で、その豊かさと多様性は、古代ギリシャの時代から現代に至るまで、我々人間の深層心理と知的好奇心を刺激し続けています。
プラトンという一人の人間が、どのように自身の世界を理解し、その思考がどのように哲学へと昇華されたのか。そんなプラトンの人間像と哲学への興味を引き立ててくれる8冊の本たちです。それぞれの作品がプラトンの魅力を引き立ててくれることは間違いないでしょう。
読んだあとでふと、「プラトンって、やっぱりすごいな」と思う瞬間があると思います。その時、きっとあなた自身も哲学を楽しむ一員になれたことと思います。これらの作品を手に取るすべての読者が、プラトンという大きな存在と向き合う楽しみを味わっていただければと思います。それでは、読書の旅を存分に楽しんでくださいね。
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