南米の日系人について知る本4選
皆さん、南米の日系人についてどれくらいご存知ですか?彼らの歴史や生活、文化に触れることで私たちの視野は確実に広がりますよ。以下、その一端を垣間見ることのできる作品を4つご紹介します。1つ目は、20世紀初頭のブラジルへの移住を描いた力強い小説。2つ目は現代のペルーを舞台にした切ない恋愛漫画。3つ目は戦時中のアルゼンチン日系人社会を描いた歴史小説。最後に、南米各地の日系人コミュニティで暮らす人々の日常を描いた秀逸なエッセイ風漫画です。それぞれ魅力的な視点から多様な日系人の姿を描いていますよ。
『炎の人ペルー日系人 加藤マヌエル神父』
作者 | 大塚文平/クレアリー寛子/ |
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価格 | 1750円 + 税 |
発売元 | 揺籃社(ようらんしゃ) |
発売日 | 2020年11月01日 |
『富之助とみよ あるブラジル日系人牧師の心の日本』
明治時代、日本のプロテスタントの黎明期に伝道者として活動した元憲兵・三澤富之助、米国人宣教師ピアソン夫妻、坂本直寛牧師とも交流が深かった妻のみよ、そしてその子供たちの足跡を描く。ブラジルに移住した祖父の人生をたどり、自らのルーツを探る日系人牧師の心の軌跡。
作者 | 石井浩 |
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価格 | 1650円 + 税 |
発売元 | 柏艪舎 |
発売日 | 2022年12月01日 |
『越えていく人 南米、日系の若者たちをたずねて』
日系移民の子孫たちの言葉から浮かび上がる、もう一つの日本近代史
この本を読み進めていて何より実感できたのは、私たちがどんな国に帰属していようと、どこに移り住もうと、所詮は誰しも地球という惑星の、逞しき住民ということだ。
ーーヤマザキマリ氏
出会えば出会うほどわからなくなる。それでも少しずつわかっていく。
期待を現実で溶かしていくための、ゆっくりで誠実な旅の記録。
ーー望月優大氏
私もそうだけど、もう誰もかもがじつは日系移民なんだな、たまたま日本に住み続けてまだ移動してないだけで。
そのあり方は私たちが思っている「日本人」よりはるかに多彩だ。
ーー星野智幸氏
移民たちはみな未知なる世界へと旅に出たが、それは“同一性・帰属意識〞を探求する旅でもあった。
だが彼らは帰る場所を探しているわけではない。陽が昇る未来に向かい今も旅を続けているのだ。
ーー宮沢和史氏
沖縄からペルーへ移住した先祖を持ち、首都リマで生まれた演出家。
二〇年ぶりに訪れた生まれ故郷で、沖縄系日系人の祭りに参加する。
ーー自分もここで日系人として育っていたかもしれない。
かつて多くの日本人が南米へ渡った。
その子孫にあたる若者たちの話を聞きたい。
ペルー、アルゼンチン、パラグアイ、ブラジル、ボリビア。
彼らをたずねる旅が始まった。
【目次】
1.Perú ペルー
■ 沖縄
■ ペルーに生まれて
■ ステージの上
2.Argentina アルゼンチン
■ フアン一家
■ 出生地主義
3.Paraguay パラグアイ
■ ブエノスアイレス → ラパス移住地
■ サッカーを遊ぶ
■ 若者たちへのインタビュー
■ 蜜蜂の巣箱
4.Brasil ブラジル
■ 港町サントス
■ サンパウロとサッポロ
■ ヨシオさん
5.Bolivia ボリビア
■ 低地ボリビア
■ キャンプ
■ めんそ〜れ
■ 沖縄の人だもん
■ 飲み会にて
■ ボリビア大移動
■ ルレナバケの日本祭り
■ リベラルタ、旅のおわり
en Kyoto 京都にて
謝辞
参考文献
初出
作者 | 神里 雄大 |
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価格 | 1980円 + 税 |
発売元 | 亜紀書房 |
発売日 | 2021年03月10日 |
『日系人の歴史を知ろう』
いま日本で暮らす日系ブラジル人の数は31万人を超えるといわれています。私たちは彼らとどのような社会をつくっていけばよいのでしょうか。本書では、かつて日本から南米大陸に渡った移民たちの足跡をたどり、その歴史を学ぶと同時に、異なる文化をもつ人々と今後、共に生きていくための道を探ります。
作者 | 高橋幸春 |
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価格 | 858円 + 税 |
発売元 | 岩波書店 |
発売日 | 2008年09月 |
これまで紹介した4冊は、それぞれ異なる視点から南米の日系人社会に迫る作品ばかりです。直接南米に住む日本人の日常生活を描くものから、文化の衝突と融合を感じさせるもの、さらには戦時下の辛酸を噛み締める一方で、不屈の精神性を見せる作品まで、色々な角度から日系人の生きざまを垣間見ることができます。
それぞれの作品には、一糸乱れぬ物語が描かれていますが、それらを読み解くと、南米の日系人たちは普通の人々と変わらぬ日常を送りながらも、日本文化が薄れつつある現状に対してさまざまな思いを持ち続けていることが伺えます。それが、郷愁あふれる自身のルーツへの懐かしさだったり、逆に自分たちの未来への不安や疑問だったりと、形は違えど、心の中に強く刻まれているのが感じられるでしょう。
物語はフィクションかもしれませんが、描かれているのは確かな現実。それを感じることができるかどうかは、読む人それぞれの感性次第です。人間の生き様や文化の多様性を感じさせてくれるこれらの作品は、世界各地に暮らす日系人たちの生活を知る良いきっかけとなることでしょう。
最後に、一冊でも多くの人がこれらの作品を手に取り、南米の日系人の過去と現在、そして未来に思いを馳せるきっかけになればと願っています。異文化理解は素晴らしいことです。それはまるで新しい世界を発見するような、そして自身の価値観を見つめ直すような、独特の感動をくれるからです。皆様も、これらの作品を通して幅広い視野を持ち、新たな認識や理解を得ることを期待します。
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