和菓子が登場する時代小説 おすめ6選
お菓子と時代小説、突如混合させたらどんな魅力が生まれるのか、注目してみませんか?和菓子が映えるシーンを描いてくれる作品を6つピックアップしました。繊細に描かれた和菓子から、その時代背景を垣間見ることが出来ます。優雅な姫君が食する色彩豊かな上菓子、番屋で分け与えられる地味な団子等、それぞれが伝える物語、人々の想いが込められた和菓子から、伝わる人間ドラマに引き込まれます。また、作品内で使用される和菓子の製造過程や、背後に隠されたエピソードも一見の価値ありです。独特の世界観を、一緒に楽しみましょう。
『深川二幸堂菓子こよみ』
「餡子だけじゃつまらねぇ。菓子を作れよ、孝次郎ー」深川で菓子屋「二幸堂」を始めた兄・光太郎と弟・孝次郎。ほんのり甘酒香る薄皮饅頭「斑雪」、桜の花弁を模した上生菓子「恋桜」、黄身餡が贅沢な「天道」と十四夜の月の如く控えめな甘さの「幾望」、柳の青葉が風情涼やかな錦玉羹「春の川」、薄紅色の白餡大福「紅福」。-不器用な職人・孝次郎の作るとびきりの菓子が、人と人を繋げ、出会いをもたらし、ささやかな幸福を照らし出すー。江戸の菓子屋を舞台に描かれる、極上の甘味と人情と、つたない恋。兄弟の絆と店を支える人々の温かさに心震える珠玉の時代小説!
| 作者 | 知野みさき |
|---|---|
| 価格 | 748円 + 税 |
| 発売元 | 大和書房 |
| 発売日 | 2017年11月 |
『おやつ 〈菓子〉時代小説傑作選』
シリーズ累計50万部突破!
月見団子や鶉餅から、滋養のある菓子まで
心和ませる甘いものをおひとつどうぞ。
味わい深い名作アンソロジー
「夢の酒」(中島久枝)
おみちの父は腕のいい菓子職人だが、めったに菓子を作らない。家計のため、母とおみちで作ったさつまいもの菓子が人気を呼ぶも、父はなぜか怒り出す。落ち込むおみちは両親が抱える秘密を知り……。書き下ろし。
「如月の恋桜」(知野みさき)
光太郎・考次郎の兄弟が営む「二幸堂」と、大店「草笛屋」による“菓子比べ”が開かれることに。確執のある二店の勝負の行方は……。
「養生なつめ」(篠 綾子)
菓子職人を目指すなつめは、菓子舗「照月堂」で子守の女中として働いている。ある日、おかみさんが体調を崩してしまい、なつめは、おいしくて体にもいい菓子があれば、と考え……。
「お供えもの」(嶋津 輝)
菓子屋の長男・善吉は、出来の良い手代が後を継ぐことを知って、後先考えずに店を飛び出してしまう。ひょんなことから、瀬戸物屋「天野屋」の店番をすることになった善吉は、天野屋の父娘の悲しみを知り、己ができることをしようとする。書き下ろし。
「大鶉」(西條奈加)
武士から菓子屋へと転身した治兵衛は、実家の法事に出席したことで、幼き日の弟との思い出を回想する。今では高僧となった弟は、あるとき庭の高い木に登って降りてこなくなった。心配した治兵衛がとった策とは……。
| 作者 | 西條 奈加/知野 みさき/中島 久枝/篠 綾子/嶋津 輝/細谷 正充 |
|---|---|
| 価格 | 924円 + 税 |
| 発売元 | PHP研究所 |
| 発売日 | 2024年12月09日 |
『子育て飴 江戸菓子舗照月堂』
梅香る頃、照月堂では、これまで注文を受けて作っていた煉り切りを店頭でも売り出した。
これも、幕府の有力者が贔屓にしてくれるようになったおかげと、主・久兵衛や番頭の太助は感謝しきりである。
忙しくなった厨房では、弟弟子を迎えたなつめが饅頭作りに挑んでいた。
そんなある日、ちょうど留守にしていた隠居の市兵衛を「旦那さん」と呼ぶ女が訪ねてきた。
どうもちょっとわけありらしい。店の面々は、市兵衛とその女の仲を疑って困惑するが……。
照月堂と、菓子職人をめざす娘なつめの物語、シリーズ第八作。
| 作者 | 篠綾子 |
|---|---|
| 価格 | 704円 + 税 |
| 発売元 | 角川春樹事務所 |
| 発売日 | 2020年07月15日 |
『思い出菓子市 お江戸甘味処 谷中はつねや』
江戸の老舗七軒と見本市へ見世を出す新参者はつねや。音松とおはつ夫婦はそこで客のうっすらした記憶の中の「思い出菓子」の注文を受けることにした。初日、二日目、思い出菓子に客はない。最終日ようやく訪れた武家の妻が「長崎奉行所に勤めに出た、早逝した父の土産の、名も知らぬ焼き菓子がまた食べたい」と言う。夫婦は思い出の味の謎を解けるか?
| 作者 | 倉阪 鬼一郎 |
|---|---|
| 価格 | 803円 + 税 |
| 発売元 | 幻冬舎 |
| 発売日 | 2021年06月10日 |
『晴れの日には 藍千堂菓子噺』
江戸・神田の小さな菓子屋を舞台に、おっとりした菓子職人の兄、商才に長けた弟が菓子屋を切り盛りする「藍千堂」シリーズの第2弾。今作は、人日(じんじつ)、上巳(じょうし)、端午(たんご)、七夕(しちせき)、重陽(ちょうよう)といった五節句を題材に、季節の和菓子が登場する。
実はこの兄弟、江戸で名店と謳われる「百瀬屋」先代の息子たち。父母亡きあと、叔父の清右衛門に訳も分からず店から追い出されたのだ。兄弟は、亡き父の教えと「甘いもん」を前にした時の客の「いい顔」を励みに、職人の茂市と三人で店の評判を上げていく。そんなある日、菓子一辺倒”、仕事一筋の兄・晴太郎が恋をした。ところが、晴太郎が惚れた相手の元夫は、奉行所を牛耳る大悪党。前途多難な恋の行方に、追い打ちをかけるように不穏な影が忍び寄る。弟の幸次郎や、職人の茂市ら周囲の人々に助けられながら、晴太郎は一世一代の大勝負に出る。物語を読みながら、思わず胸が熱くなるのは、好きになった女性や周囲の人すべてを幸せにしたいと願う、晴太郎の生き方に胸を打たれます。
著者が考案したオリジナルの和菓子も魅力的。第5話に登場する子戴(こいただき)は、宮中の祝儀に使われたのが始まり。赤いもち米で作った餅を平たくしてくぼみをつくり、小豆餡を載せるものだが、藍千堂オリジナルはもっと涼やかだ。
和菓子屋「藍千堂」をめぐる物語の世界が広がり、奥行きをもたせて描かれています。
『あんこの本』の著者、姜尚美さんの解説も読みどころのひとつです。
| 作者 | 田牧 大和 |
|---|---|
| 価格 | 858円 + 税 |
| 発売元 | 文藝春秋 |
| 発売日 | 2018年07月10日 |
『菊花ひらく : 日本橋牡丹堂菓子ばなし 10』
| 作者 | 中島,久枝,1954- |
|---|---|
| 価格 | 不明 |
| 発売元 | 光文社 |
| 発売日 | 2022年09月 |
それでは、和菓子が登場する時代小説、おすすめ6選のご紹介はここまでです。6作品とも、それぞれに個性があって魅力的でしたよね。和菓子が作品の中でどのように描かれ、ストーリーにどのように絡むのか、それぞれの作品で異なりますが、どの作品も思わず和菓子が食べたくなる美麗な描写が満載です。
また、作品ごとに時代背景も違いますので、江戸時代の和菓子の製法や嗜み方から、明治、大正、昭和と時代が変わるにつれて変化していく和菓子の姿や役割も楽しむことができます。そして何より、和菓子が登場する瞬間は、作品の中でまさに見せ場ともいえる瞬間で、主人公たちの人間性が一層引き立てられます。
和菓子についての知識がある方はもちろん、和菓子や日本文化に詳しくない方でも、読むことで新たな発見や感動があると思います。和菓子を通して日本の伝統や美意識、そして何より人々の暮らしや心情が描かれ、読む人の心に深く響きます。
これらの作品を読むと、ただ単に和菓子が美味しそうだと感じるだけでなく、一つ一つの和菓子に込められた作者の想いや心遣い、そして和菓子ができ上がるまでの時間や手間を感じ、それがまた一つの物語として心に残ることでしょう。
皆さんも、いつも食べる和菓子がこれらの作品を読んだ後では少し違ったものに見えるかもしれませんよ。あるいは、一度も食べたことがない方でもこれを機に和菓子に興味を持つきっかけになることを願っています。一つの作品が喚起する日本文化の美しさと、和菓子にまつわるストーリーは必見です。ぜひ、手に取ってご覧くださいね。
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