【宮下奈都】好きな小説5選
宮下奈都さんの作品はキャラクターの感情が鮮やかに描かれ、読者を深い物語へと引き込んでくれます。苦悩や喜び、愛情や憎悪といった人間の感情の複雑さを見事に表現し、彼女の作品を読んでいると、自分自身も登場人物と一緒に成長していくような感覚になりますよ。
特に後半部分の描写が見事で、ストーリーの緊張感が最高潮に達したところで絶妙なタイミングで心情描写を挿入し、読者の感情を一気に高めてくれます。また、絶望的な状況でも前向きに生きようとする主人公の姿勢には、何度読んでも励まされます。一見ハードなテーマでも、優しく包み込むような筆致で描かれているので、逃げ場のない現代社会を生きていくヒントをくれる作品が多いですね。
これからも彼女の作品には目が離せません。それでは、皆さんもぜひご一読くださいませ。
『羊と鋼の森』
第13回本屋大賞、第4回ブランチブックアワード大賞2015、第13回キノベス!2016 第1位……伝説の三冠を達成!
日本中の読者の心を震わせた小説、いよいよ文庫化!
ゆるされている。世界と調和している。
それがどんなに素晴らしいことか。
言葉で伝えきれないなら、音で表せるようになればいい。
高校生の時、偶然ピアノ調律師の板鳥と出会って以来、調律の世界に魅せられた外村。
ピアノを愛する姉妹や先輩、恩師との交流を通じて、成長していく青年の姿を、温かく静謐な筆致で綴った感動作。
解説は『一瞬の風になれ』で本屋大賞を受賞した佐藤多佳子さん。
豪華出演陣で映画完成!
外村青年を山崎賢人、憧れの調律師・板鳥を三浦友和、先輩調律師・柳を鈴木亮平、ピアニストの姉妹を上白石萌音、萌歌が演じています。6月8日公開。
「才能があるから生きていくんじゃない。そんなもの、あったって、なくたって、生きていくんだ。あるのかないのかわからない、そんなものにふりまわされるのはごめんだ。もっと確かなものを、この手で探り当てていくしかない。(本文より)」
作者 | 宮下 奈都 |
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価格 | 792円 + 税 |
発売元 | 文藝春秋 |
発売日 | 2018年02月09日 |
『よろこびの歌』
作者 | 宮下,奈都 |
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価格 | 不明 |
発売元 | 実業之日本社 |
発売日 | 2012年10月 |
『太陽のパスタ、豆のスープ』
作者 | 宮下,奈都 |
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価格 | 不明 |
発売元 | 集英社 |
発売日 | 2013年01月 |
『スコーレno.4』
自由奔放な妹・七葉に比べて自分は平凡だと思っている女の子・津川麻子。そんな彼女も、中学、高校、大学、就職を通して4つのスコーレ(学校)と出会い、少女から女性へと変わっていく。そして、彼女が遅まきながらやっと気づいた自分のいちばん大切なものとは…。ひとりの女性が悩み苦しみながらも成長する姿を淡く切なく美しく描きあげた傑作。
作者 | 宮下奈都 |
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価格 | 628円 + 税 |
発売元 | 光文社 |
発売日 | 2009年11月 |
『静かな雨』
会社が潰れた日、パチンコ屋の裏の駐車場で、やたらと美味しいたいやき屋を見つけた行助。そこは、こよみさんという、まっすぐな目をした可愛い女の子が一人で経営するたいやき屋だった。行助は新たに大学の研究室の助手の働き口を見つけ、そのたいやき屋に通ううちにこよみさんと親しくなり、デートを繰り返すようになる。
だがある朝、こよみさんは交通事故の巻き添えで、意識不明になってしまう。家族のいないこよみさんのために、行助は毎日病院に通う。三月と三日経った日、奇跡的に意識を取り戻したこよみさんだが、事故の後遺症の高次脳機能障害で、短期間しか新しい記憶を留めておけないようになっていた。
二人は一緒に住むようになるが、こよみさんは、その日の出来事を覚えていられない。だが、脳に記憶が刻まれなくなっても、日々が何も残していかないわけではない。忘れても忘れても、二人の中には何かが育ち、ふたつの世界は少しずつ重なっていく。それで、ふたりは十分だったーー。
第98回文學界新人賞佳作に選ばれた瑞々しいデビュー作。
文庫版にはアンソロジー『コイノカオリ』(角川文庫)収録の「日をつなぐ」を併録。中学時代の恋人と結婚し、知らない町で一人子育てをする真名。くつくつと豆を煮る描写が効果的に挿入され、30数ページの中に凝縮された女性の半生と思いが描かれる。
解説・辻原登
作者 | 宮下 奈都 |
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価格 | 616円 + 税 |
発売元 | 文藝春秋 |
発売日 | 2019年06月06日 |
そんな感じで、今回は宮下奈都さんの中から私のお気に入り5作をピックアップして紹介させていただきました。ひとつひとつの作品が描き出す、宮下奈都さん独特の先鋭的かつ繊細な人間観察と、それを綴る言葉の力強さは、まさに痛快なほどですし、同時に心に響きます。
それぞれ異なる登場人物や背景を持つ作品を通して、私たち読者は自分自身と向き合うきっかけを得ることができます。主人公たちの選択や思考を通じて、自分では気付かなかった心の隅々まで考えさせられ、また新たな視点で人生を見つめ直すきっかけをもらえることでしょう。
また、宮下奈都さんの作品には、微笑ましいエピソードやユーモラスなシーンもたくさん詰まっています。そのため、思わず笑ってしまうような場面や、日常のささいな出来事に新たな価値を見つける瞬間もあります。その独特な世界観とユーモラスさが相まって、読むたびに新たな感動や発見があるのが魅力です。
そして何より、宮下奈都さんの作品は、登場人物たちが抱く感情や心の動きを、誰もが共感できる形で描き出しているところが素晴らしいと思います。悩み、迷い、喜び、悲しみ…。これらすべての感情が等しく大切に描かれているのです。
もしまだ宮下奈都さんの作品を読んだことがないという方がいらっしゃるなら、ぜひこの機会に手に取ってみてください。そして、すでに彼女のファンである方にとっても、改めてその独特の世界観を味わうと、新たな発見や感動があるはずです。
そして、新旧問わず宮下奈都さんの作品は、いつでも私たちを優しくつつみ込みながら、強く突き動かす力を持っています。それはまるで、心の奥底に眠る何かを呼び覚ますかのよう。こんな素敵な時間を与えてくれる作家さんって、そうはいないと思います。
以上、宮下奈都さんの作品群からのマイのおすすめ5選でした。また新たな作品の発表を心待ちにしています。
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