フォントが出来上がるまでの物語!書体デザイナーの仕事内容がわかる本5選
書体の世界も奥が深いんですよ。平たく言うと、アルファベットや文字はどんな形になったら一番美しいのか、読みやすいのか、作者の意図が伝わるのか。それを模索し、何度も何度も試行錯誤を重ねながら作り上げるのが書体デザイナーの仕事。そんなデザイナーたちの努力と情熱、そして、辿り着いた答え故の満足感を感じられる5冊の本を厳選しました。それぞれの本はデザイナーのエッセイ形式、ノンフィクション、ノベライズされた実録など、様々。文字を生み出すまでの過程を⾒ると、一文字一文字がいかに重たく、またそこからはじける活力を実感できますよ。読み終わるときっと、文字を新たな目で見ることができるようになるはずです。
『奇跡のフォント 教科書が読めない子どもを知ってーUDデジタル教科書体 開発物語』
■読み書き障害でも読みやすいフォントが生まれるまでのノンフィクション!
UDデジタル教科書体の完成から3年が経った頃、私は仕事の関係で、障害のある子どもの教育や就労を支援している会社を訪れました。
そこでは発達障害、学習障害、ダウン症といったさまざまな困難を抱える子どもたちを支援する学習教室を運営していたのですが、あるベテランの女性スタッフの方が、こんな話をしてくれました。
「うちの教室に、ディスレクシアの小学生の男の子がいるんです。その子は普通の本や教科書では文字がうまく読めなくて、『どうせおれには無理だから』って、いつも途中で読むのを諦めていたんです」
「それで、あるときUDデジタル教科書体のことを知って、試しに教材のフォントを変えてみたんです。そしたら教材を見た瞬間、その子が『これなら読める! おれ、バカじゃなかったんだ!』って。暗かった顔がぱあっと明るくなって、その顔を見たとき、私、思わず涙がこみあげてきてしまって。その場にいたスタッフ皆、今まで男の子が悔しい思いをしてきたのを知っていたから。みんなで男の子の周りに集まって、泣いてしまいました」(「はじめに」より抜粋)
ー足掛け8年。教育現場で大活躍しているフォントを作った書体デザイナーの情熱の物語。
多様性の時代における教育・ビジネスのヒントになる感動の一冊!
・はじめに
・第1章 私が書体デザイナーになるまで
・第2章 写植からデジタルの時代へー師・林隆男氏のもとでの修行と突然の別れ
・第3章 「社会の穴」を埋めるフォントを作れ!-TBUDフォントの完成と会社の解散
・コラム1 誰一人取り残さない学校や社会を実現するために(慶應義塾大学経済学部教授 中野泰志)
・第4章 教育現場で使いやすいフォントを追求するーUDデジタル教科書体リリースまでの長い道のり
・コラム2 UDデジタル教科書体が切り拓いた新しいフォントの可能性(モリサワ 営業部門 シニアディレクター兼東京本社統括 田村猛)
・第5章 フォントで誰もが学習できる環境を作るー読み書き障害の子どもたちにUDデジタル教科書体を届ける
・コラム3 “できない子”と勘違いされる子どもたちを減らしたい(大阪医科薬科大学附属LDセンター オプトメトリスト 奥村智人)
・特別章 フォントができることーUDデジタル教科書体の活用現場から
・おわりに
| 作者 | 高田 裕美 |
|---|---|
| 価格 | 1980円 + 税 |
| 発売元 | 時事通信出版局 |
| 発売日 | 2023年03月23日 |
『時代をひらく書体をつくる。 書体設計士・橋本和夫に聞く 活字・写植・デジタルフォントデザインの舞台裏』
活字〜写植〜デジタルフォントと三世代にわたり続く日本の書体の歴史のなかには、その存在の重要さに関わらず、あまり知られていないデザイナーがいる。
その筆頭が、金属活字・写植・デジタルフォントの三世代で書体デザイン・制作・監修を経験し、特に写研で大きな功績を残した橋本和夫さんだ。日本の書体史の主軸となる部分を築いてきた人である。
本書では、橋本さんのロングインタビューを通して、これまであまり語られてこなかった、だが間違いなく現在のルーツとなる書体デザインの舞台裏を浮かび上がらせ、日本の書体の知られざる流れを紐解いていく。
第一章 活字時代・モトヤで文字を学ぶ/第二章 写植時代1・写研との出会い/第三章 写植時代2・あたらしい本文書体/第四章 写植時代3・新書体時代のはじまり/第五章 写植時代4・書体デザイナーをとりまく状況/第六章 写植時代5・写研での文字制作/第七章 写植時代6・多書体化の時代へ/第八章 デジタルフォント時代1・フリーランスになる/第九章 デジタルフォント時代2・イワタとの出会い/第十章 デジタルフォント時代3・イワタの書体を増やす/第十一章 これから文字に携わるひとに
| 作者 | 雪 朱里 |
|---|---|
| 価格 | 2970円 + 税 |
| 発売元 | グラフィック社 |
| 発売日 | 2020年11月10日 |
『文字を作る仕事』
| 作者 | 鳥海修 |
|---|---|
| 価格 | 不明 |
| 発売元 | 晶文社 |
| 発売日 |
『「書体」が生まれる ベントンと三省堂がひらいた文字デザイン』
<b>ベントン彫刻機と三省堂がなければ、日本の活字デザインの歴史は変わっていた!?</b>
かつて、活字のデザインは、ごく限られた天才=「種字彫刻師」の頭の中にのみあるものだった。
現代の「書体デザイン」につながる手法を伝えたのは、辞書の「三省堂」とベントン彫刻機だったのだ。
これは、「書体」が生まれるその舞台裏で奔走したひとびとの記録である。
| 作者 | 雪 朱里 |
|---|---|
| 価格 | 3630円 + 税 |
| 発売元 | 三省堂 |
| 発売日 | 2021年08月31日 |
『文字をつくる9人の書体デザイナー』
9人の書体デザイナーに聞く文字への思い、書体のつくりかた、組み見本。身のまわりにある書体誕生の背景がわかる一冊。
| 作者 | 雪朱里 |
|---|---|
| 価格 | 2200円 + 税 |
| 発売元 | 誠文堂新光社 |
| 発売日 | 2010年06月 |
それぞれの書体がどのようにして生まれ、育まれていくのか。設計から調整まで、まさに職人の仕事と呼べる書体デザイナーの世界を垣間見ることができました。愛情と情熱とを持って研ぐ一文字一文字。それが紡ぎ出す書体の魅力が、今回紹介した5冊の本から感じられたと思います。
文字の形は、日々目にするものです。しかし、それがどのように生まれ変わっているのか、その背景までは意識することは少ないのではないでしょうか。今回おすすめしたこれらの本たちは、文字という日々身近な存在が、どれほど奥深い世界を持っているかということを改めて教えてくれる一冊です。
信頼と実績のある職人たちがどのようにして作品を創り出しているのか、その過程を一緒に学び、感じることができるのは貴重な体験ではないでしょうか。それこそが、今回紹介した本たちの一番の魅力だと思います。
そして、これらの本を通じてフォントに対する新たな視点や関心が育ったなら、それに勝る喜びはありません。情報が溢れる現代社会、日々見慣れた文字たちが、新たな面白さを提供してくれることでしょう。是非、手に取ってみてください。
大切なのは、一文字一文字を丁寧に、そして愛情を込めて練り上げる職人の姿勢です。その姿勢を理解し、共有することで、私たちが普段何気なく過ごしている日常生活が、一層豊かで価値のあるものに変わるでしょう。見えているものの背後にある世界を垣間見る…そんな時間を、これらの本と共に過ごしてみてください。
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