安部公房の小説オススメ4選
安部公房作品、その世界観に浸ったらもう抜け出せないって言う人、多いですよね。一つ目は、ミステリアスなビルが舞台の物語。現実感を失いそうな彼の描く世界がたまりません。二つ目は、おそろしく逞しい青年の話。彼の人間性と社会への憤りが胸を打ちます。三つ目は、女性とロバが主人公の実にユニークな作品。その実、深遠な主題を織り込んであるんですよ。最後に、記憶喪失の男性をめぐるドラマ。一体何が真実なのか、読み終わった後も離れないんです。どれも心を揺さぶる力作ばかり。ぜひ手に取ってみてくださいね。
『砂の女』
砂丘へ昆虫採集に出かけた男が、砂穴の底に埋もれていく一軒家に閉じ込められる。考えつく限りの方法で脱出を試みる男。家を守るために、男を穴の中にひきとめておこうとする女。そして、穴の上から男の逃亡を妨害し、二人の生活を眺める部落の人々。ドキュメンタルな手法、サスペンスあふれる展開のなかに、人間存在の象徴的な姿を追求した書き下ろし長編。20数ヶ国語に翻訳された名作。
作者 | 安部 公房 |
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価格 | 781円 + 税 |
発売元 | 新潮社 |
発売日 | 1981年02月27日 |
『箱男』
作者 | 安部 公房 |
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価格 | 693円 + 税 |
発売元 | 新潮社 |
発売日 | 2005年05月 |
『壁』
ある朝、突然自分の名前を喪失してしまった男。以来彼は慣習に塗り固められた現実での存在権を失った。自らの帰属すべき場所を持たぬ彼の眼には、現実が奇怪な不条理の塊とうつる。他人との接触に支障を来たし、マネキン人形やラクダに奇妙な愛情を抱く。そして…。独特の寓意とユーモアで、孤独な人間の実存的体験を描き、その底に価値逆転の方向を探った芥川賞受賞の野心作。
作者 | 安部 公房 |
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価格 | 737円 + 税 |
発売元 | 新潮社 |
発売日 | 1993年02月 |
『他人の顔』
液体空気の爆発で受けた顔一面の蛭のようなケロイド瘢痕によって自分の顔を喪失してしまった男…失われた妻の愛をとりもどすために“他人の顔”をプラスチック製の仮面に仕立てて、妻を誘惑する男の自己回復のあがき…。特異な着想の中に執拗なまでに精緻な科学的記載をも交えて、“顔”というものに関わって生きている人間という存在の不安定さ、あいまいさを描く長編。
作者 | 安部 公房 |
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価格 | 781円 + 税 |
発売元 | 新潮社 |
発売日 | 1968年12月24日 |
それぞれが鮮やかに描かれた登場人物たち、普遍的なテーマを深く掘り下げるその物語は、読み手にとって深遠な感銘を与えるでしょう。安部公房の世界は非日常を通じて、日常の中に潜む矛盾や葛藤を浮かび上がらせます。
何気なく読み進める中に、自己を見つめ直し、社会を疑問視するきっかけを作りだしてくれる力が秘められています。それが故に、一度読んだとしても、何度でも読み返したくなる魅力また耐久性を作品は持っています。
また、透明ながらも厳しい社会風刀を前にする彼の登場人物たちは、自分自身に突きつけられる鏡のようでもあります。もしかしたら、心地良くない自分自身を突きつけられるかもしれません。だけどそれが、この作品がリアルで、ジワジワと心に残る理由なのかもしれません。
読み手に思考を強いる安部公房の作品は、ただ物語を楽しむだけでなく、深い洞察力を持つ我々を夢中にさせてやまない魅力を秘めています。時代を経ても色褪せないそのメッセージ、描き出す人間の姿には、いつでも新鮮な感動と発見が溢れています。
これらの作品一つ一つが、あなたの人生の中に新しい視点、新しい価値観を生み出すかもしれません。ひとつひとつの作品に向き合うたびに、いろんな角度から世界を見るエネルギーが湧き上がるでしょう。それらが混ざり合い、あなた自身の「考える力」を育ててくれることでしょう。
だからこそ、今回紹介した作品たちは、決して読んで損はないと思います。一度手にとって、彼の描く世界に浸ってみてください。安部公房の作品に触れることで、あなたの中の何かが揺さぶられることでしょう。それが小説の持つ、素晴らしい力なのです。
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