歴史から国民国家について考える3選

皆さん、こんにちは!今回のテーマは「歴史から国民国家について考える」ですよ。ますます混沌とする世界を理解するために、ここは一度、歴史の洗濯板を再び渡ってみましょう。まずは王朝交代の繰り返しを描いた壮大な歴史ロマンです。皇帝や民衆の視点から見た国民国家の出発点に迫る事ができる名作です。次に、戦争と国家の関連性を描いた社会派漫画で、戦争が終わったあとの国家のリビルディングについてリアルに描かれ、現在にも通じるテーマが盛り込まれています。最後に、ある国の独立運動を背景にした小説で、国民国家の誕生から現在に至るまでの模様を描き出し、深く見つめられる作品です。ぜひ三作品とも手に取って、国民国家の成り立ちを歴史の流れの中で考えてみてくださいね!
『ハプスブルクの実験増補改訂 多文化共存を目指して』

多文化・多民族・多言語の共存を、巧妙精緻な政治システムによって実現し、第一次大戦をもって崩壊したハプスブルク帝国。それは不可能な試みだったのか?民族自決・国民国家の理念に基づかない国家モデルの展望は?その歴史的「実験」の意義を、いま改めて問う。
作者 | 大津留厚 |
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価格 | 2420円 + 税 |
発売元 | 春風社 |
発売日 | 2007年06月 |
『さまよえるハプスブルク 捕虜たちが見た帝国の崩壊』

多民族帝国の崩壊と国民国家の成立は何をもたらしたか。第一次大戦下のロシアで捕虜となった二〇〇万を超えるハプスブルク帝国軍兵士の膨大な回想録と外交文書から、極東をさまよった彼らの経験をたどり、帝国崩壊の現場を描き出す。国民国家のゆきづまりとともに再考が進む多民族国家の終焉から現代世界を逆照射する試み。
はじめに
第一章 ユーラシア捕虜収容所群島
一 戦場の兵士たち
二 敗走
三 収容所群島の兵士たち
第二章 日本の中のハプスブルク
一 カイゼリン・エリーザベト号の世界大戦
二 姫路への収容
三 「殆んど半殺しと為したり」--イタリア参戦と暴行事件
四 「イタリア国に好意を有する捕虜」--国際関係の中の捕虜たち
五 音楽・スポーツ・ときどき菜園ーー青野原捕虜収容所の生活
六 それぞれの帰還
第三章 中立中国のハプスブルク公館
一 天津救援委員会
二 中立アメリカの視察・救援
三 「公使閣下におかれましては」--脱走捕虜の救援
第四章 帰還兵の反乱
一 亀裂
二 「侮辱的」歓迎?!--帰還兵の受け入れ
三 反乱する帰還兵(ユーデンブルク)
四 反乱する帰還兵(ラートカースブルク)
五 青野原捕虜収容所への波紋
第五章 さまよえるハプスブルク
一 チェコスロヴァキア軍団という伏兵
二 捕虜たちの窮状
三 救援委員会、打つ手なしーー中国とアメリカ合衆国の参戦
四 海倫市収容所からの苦情
五 協商諸国の基本方針
六 「殆んど狂気の状態にあり」--残留捕虜の限界状況
七 在シベリア独墺捕虜の帰国問題
八 中国からの帰還、それでもなお
おわりにーー捕虜から見た多民族帝国の終焉
あとがき
付表 ハプスブルク共通陸軍第五九歩兵連隊将校名簿
参考文献
作者 | 大津留 厚 |
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価格 | 2750円 + 税 |
発売元 | 岩波書店 |
発売日 | 2021年04月13日 |
『アルザスと国民国家』

作者 | 中本真生子 |
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価格 | 3080円 + 税 |
発売元 | 晃洋書房 |
発売日 | 2008年02月 |
さあ、挙げてみた3つの作品はどれも読むだけでなく、「考える」きっかけをくれる価値ある作品ばかりですね。それぞれ違った視点から国家や国民の在り方を描いていますから、歴史や社会に対して考えを巡らせる読者にとって、非常に興味深い思索の種になること間違いありません。
一つ目の作品は、人々が共同体を形成していく過程とその葛藤、二つ目の作品は国家とは何か、そしてその果ての愛国心を問い、三つ目の作品は、国家間の摩擦とその解決のための思考を描いています。多少なりとも過去の歴史的な出来事に基づいていますが、結局は歴史から何を学ぶべきか、どう未来に繋げるべきかという問題提起になるのではないでしょうか。
どの作品も個々に深く楽しむことができますが、それぞれ比較して考えてみたり、また全く違った角度からアプローチしてみることで、新たな視点が見えてくるかもしれません。私たちが今、住んでいる国だけでなく、世界に目を向け、その在り方や役割を考え直すきっかけになるでしょう。
ナビゲーターとして、これらの作品が皆さまのお役に立てれば幸いです。物語を楽しみながら、それぞれの作品が提唱している哲学や思想を吸収し、そして何より、常に思索する機会を得ていただければと思います。さあ、どの作品から始めるかはあなた次第。明日の自分の視野を広げる一冊を、ぜひお手にとってみてください。
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